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Rihanna / Loud
[Rihanna / Loud] USでは2010年暮れ、日本では2011年初にリリースされたRihannaの5作目。もう(@2011/21)、次回作も発売ということで、短サイクルでのリリースが続いている。前作はダークである意味聴き応えのあるものだったが、今回はその反動か、Popな方向にゆり戻されている。エレクトロを十分に取り入れ、ProducerやGuestも時流的に間違いない無い人選で、曲調もバラエティに富んでいるので、それなりに誰でも楽しめる作品でもある。
Bruno Mars / Doo-Wops & Hooligans
[Bruno Mars / Doo-Wops & Hooligans] AをヒットさせたBruno Marsの2010年暮れのデビューアルバム。ともにGuestで参加するCee LoやB.O.B.に楽曲提供し、これも大ヒットさせた実績を持つ。Produce, Song writing, 楽器演奏もこなす才人でもある。プエルトリコ人とフィリピン人のハーフでハワイ出身ということもあって、R&Bっぽさは薄く、Rock, Reggaeをもとりこんで幅広い曲調のTrack群によって構成される。特にメロディーがキャッチーでとても判りやすく、スローは美メロなので、リラックスして聴くことができる。自身の所属するSmeezingtonsがほぼ全面Produceしており、シンプルながらサウンドに統一感のあるアルバムに仕上がっている。まだまだ途上の人だと思うので、これからが楽しみだ。
Bilal / Airtight's Revenge
[Airtight's Revenge] Bilalの2010年秋の作品。客演では良く名前をみかけてはいたが、なんとデビュー作以来、9年ぶりのリリースとなる。Bilal本人がProduceに多く関わっているだけに、大分、好きなように遊んでいる感じで、実験作的要素もあったりする。ゆったりとして静かな曲が多いが、スペーシーであったり、インストっぽかったり、レゲエなど多様な要素を取り込んだりと、かなり凝ったTrackばかり。以前のNeo Soulの頃とは違ったBilalの捩れた小宇宙をお楽しみください。
Cee Lo Green / The Lady Killer
[Cee-Lo Green / The Lady Killer] 怪人Cee-Loの2010年暮れリリースの3作目。Gnarls Barkleyでの活動を挟み、ソロとしては6年ぶりのリリースとなる。ヒットしたBを代表に、過去2作にくらべると、唄とメロディにより重きがおかれている。Producerを総入れ替えし、Trackも懐かしさ満開のファンクなOld Soulがほとんどで、聴きやすくて楽しいアルバムである。これもCee-Loの人柄によるものかもしれない。最近の60-70年代回帰の潮流も捉えているようで、往時のRockっぽさを持つ曲もあったりする。
El DeBarge / Second Chance
[El Debarge / Second Chance] 髭のおじさんと究極のナヨ声という不思議な取り合わせのEl DeBargeの復活作。長いクスリ生活と刑務所暮らしを経ての16年ぶりのアルバムである。Executive ProducerのRon Fairや、Mike City, Avila Bros, Jam & Lewisの紡ぎだすTrackは往年の良きSoulを再現している。メローなTrackばかりで、Elの復活をきっちりサポートしている。ElのVocalも若々しく、ブランクを感じさせない。穏やかな気持ちになれるハッピーミュージックである。
Mavis Staples / You Are Not Alone
[Mavis Staples / You Are Not Alone] Mavis Staplesのオリジナルとしては3年振りとなる2010年の作品。前作はメッセージ色の強いものだったが、今回はWilcoのJeff TweedyをProducerに向かえ、Bluesをベースに Gospel, そしてCountryの要素をとりいれたようなアルバムに仕上がっている。2曲がJeffによる新曲、他はStaple Singersの曲や他のアーティストのカバーで構成され、それらが違和感無く融合しているのは、同じバンドメンバーで通しているゆえでもあろう。リリース時で71歳となるMavisの唄も渋くて、安定している。
Charlie Wilson / Just Charlie
[Charlie Wilson / Just Charlie] Charlie Wilsonの5作目。ソロ作では旬のProducerも起用し、流行の音やGuestを適度に取り込んできたのだが、今回はそういうことはなくて、Producerも絞って、ミディアム〜スロー中心でオーソドックスなサウンドのアルバムになっている。(それでもシンセ使いのラスト2曲だけは別だが。) その分、Charlieの唄はこれまで以上に映えているし、艶のあるvocalも安定感がある。派手さは無いが、佳作ではある。
Keyshia Cole / Calling All Hearts
[Keyshia Cole / Calling All Hearts] Keyshia Coleの約2年ぶりの4作目。前作からの傾向で、しっとりと大人な方向に踏み出した、ストレートなR&Bアルバムてある。もともと歌唱力に定評のある人だが、デビュー当初のような荒削りさが無くなって、唄の安定感が増している。2曲にRapがはいってたりもしているが、Ron Fairを中心に練り上げられたサウンドもオーソドックスに仕上がっている。成熟といったら、それまでだが、差別化のためには、も少し、サプライズというかインパクトが欲しい気もする。
Freeway & Jake One / The Stimulus Package
[Freeway & Jake One / The Stimulus Package] Rac-a-fellaで名を馳せたMCのFreewayとProducerのJake Oneによるコラボレーション作。Jake Oneが全曲Produceしている。財布を模した紙製ジャケットと紙幣を模したライナーというかなり凝った作りのCDでもある。クレジットによるとSamplingは2曲のみのようだが、Jake OneによるBeatにFreewayがフローを載せるというクラシックな作りのTrackはどれも力強く、出来が良い。どうしても似た傾向の曲が続くこともあったりもするが、ときどきでてくるメローな曲が変化をつけている。
R. Kelly / Love Letter
[R. Kelly / Love Letter] R. Kellyの約1年振りのアルバム。今回は60年代のオールドソウルを今風に再現した作品。過去の作品ではHappy Peopleに近いか。作詞/作曲/Produceを全て自前なので、個々のTrackのレベルは高いし、相当の統一感がある。ステッパー風やモータウン風もあり、メロディと唄に耳がいってしまうが、Kellyの唄は若々しさを残しつつ、安定感が増している。こういう作品は簡単に作り上げてしまうのは、やはり天才なのだなとあらためて再認識した。
Kid Cudi / Man On The Moon II: The Legend Of Mr. Rager
[Kid Cudi / Man On The Moon II: The Legend Of Mr. Rager] Kid Cudiのメジャーデビュー2作目。1年前にリリースされたデビュー作はインパクトのあるものだったが、Kid本人やDrakeの活躍により、だいぶ、この手のサウンドに耳慣れてきた気がする。タイトルからして、前作からのシリーズものであり、感想はほとんど変わらない。内向的で陰鬱な感じのTrackに、唄とRapが区別なく乗ってくる。サウンド的にはシンセが特徴的で、前作にもましてロック色が強い。完成度が高い作品ではあるが、何度も聴く気はしません。
Trey Songz / Passion, Pain and Pleasure
[Trey Songz / Passion, Pain and Pleasure] Trey Songzの1年振り、4作目。若くしてデビューした人だが、既に中堅の域に達したと言えそうだ。後見人Troy Taylorが多くのPriduceに参加するには、デビュー作から変わらないが、今回は特にミディアム〜スローが多く、それに耐えうる唄の表現力も身に着けたようだ。サウンドのほうはシンセ使いなど無理な冒険をせずに時流をとらえたものになっている。UpなTrackもライトな感じなので、全体として落ち着いた印象を受けるアルバムだ。
Cypress Hill / Rise Up
[Cypress Hill / Rise Up] 最近はソロ活動が活発だったCypress Hillの6年ぶり、8作目。Snoop Doggがエグゼクティブを努めるPriorityからのリリースである。彼らの特色であるロックを前面に押し出したサウンドは健在。ラテンなNなど数曲を除き、ほぼロックな/あるいはロック色の強いTrackに、ストレートで力強いRapがのってくる。Producer個々が良い仕事をしているので、各曲のレベルが高く、不思議に飽きはこない。かなりの迫力なので大音量で聴きたいアルバムだ。
Usher / Raymond V Raymond
[Usher / Raymond V Raymond] Usherの2年ぶり、6作目。RaymondとはUsherの姓であり、離婚を経験したことで、こんなアルバムタイトルになっている。Jam & Lewisが復活して3曲をProduceしているが、前作から継続のProducerも多く、全体感として大きな変化は無い。Trackは今の音を十分に抑えていて、先鋭的とまではいかないまでも、良く聴くと面白い試みも感じられる。アップ〜スローとバランスよく配置されているうち、特にもこもことしたゆったり目の曲に新境地を感じる。トータルで聴くと、ある意味、完成してしまっている人なのだとあらためて思った。
Curren$y / Pilot Talk
[Curren$y / Pilot Talk] ProducerのSki Beatzとともに2010年のHip-Hop界で台頭したCurren$yの初メジャー配給作。草に埋もれた地元Luisiana Super Domeに戦闘機が向かうジャケットやPilot Talk(マリファナでハイになってRapすることらしい)というタイトルから分かるように、Stoner Rapに分類されるマリファナ礼賛をライムしたアルバムだ。そういったLyricはさておき、Ski BeatzがメインにProduceする、Base, Guiter, KBなども用いられたTrackはゆるゆるでファンク。メローでもある。ふり幅は少ないが、統一感のあるアルバムでもある。
Monica / Still Standing
[Monica / Still Standing] Monicaの3年半ぶりのアルバム。デビュー15年らしいが、寡作でこれが5作目となる。アルバムリリースの2010年に30歳になり、2児の母にもなったこともあってか、落ち着いた大人のソウルを届けてくれた。曲調も名曲であるバラードのCをはじめ、ゆったりしたものが多く、その分、唄が重視されている。感情をこめたような曲もあり、Monicaもそれに耐えうるだけの表現力を勝ち得ている。Missy, Jim Jonsin, Pollow Da Don, Los DaMystroなどが今の音を織り込みながら、抑えたTrackでMonicaの魅力をうまく引き出してると思う。
The Black Eyed Peas / The Beginning
[The Black Eyed Peas / The Beginnig] Black Eyed Peasの1年半ぶりのアルバム。タイトルから見ると大ヒットした前作とセットになるものであろう。前作ほどのシングルヒットになりそうな曲は無さそうだが、エレクトロ路線を推し進め、アルバム全体としての一体感はでている。それはProducerが絞り込まれたことにもよるだろう。歌が増え、Rapが減ったため、かつてのHip-Hopユニットの面影はなく、Popフィールドに軸足を移してしまったようだ。
Eric Benet / Lost In Time
[Eric Benet / Lost In Time] Eric Benetの2年ぶり5作目。70年代中〜後期のソウル、特にフィリーソウル,ネオソウルあたりを忠実に再現したアルバム。どこかで聴いたようなメロディ, Trackばかりだが、全曲オリジナルであり、Ericの70年代愛が強く感じられる。ファルセットを多用した唄や声もかなり曲調にマッチしている。当事者であるEddie Levertを含むGuesr陣のセレクションも良い。どの曲もメロディがよく、懐古趣味ではあるものの、近年無かった心温まる作品です。
Nicki Minaj / Pink Friday
ここ最近、客演の多さとビジュアルでやけに目立ったNicki Minajのデビュー作。Lil Wayne率いるYoung Moneyの一員ということもあって、サウスの印象が強いが、NY出身だそうで特にTrack面での地域色はあまりない。MCとしてのスキルは分かっていたが、アルバムとしても十分にその実力を発揮し、見た目の派手さだけで無いことを証明している。本人の唄主体の曲も数曲あり、Trackもハードに偏らず、Popなものも多くて、随分バラエティに富んだ飽きのこない構成になっている。この勢いで、ここ数年空席だった女性MCの本命を狙ってもらいたいものだ。
Macy Gray / The Sellout
[Macy Gray / The Sellout] Concord移籍後初となるMacy Grayの3年ぶり、5作目。全体としては、ロック色が強いのだが、あまり違和感はなく自然な感じを受ける。それは曲調やアレンジがクラシカルで耳に馴染むからであろう。1曲1曲は良いのだが、小さくまとまっている気もする。かつての斬新さを取り戻してくれると個人的にはうれしいのだが。最近見たBillboard Liveでのライブは、このアルバムのTrack中心だが、そのパフォーマンスはR&Bにしては少し抑え気味、しかしファンクで面白かった。
Avant / The Letter
[Avant / The Letter] Verve移籍後初リリースとなるAvantの2年振り、6作目。一聴した限りでは、R.Kellyのフォロワーという気もしたが、こちらのほうがクリーンで透明感があるようだ。高音が少し割れ気味になったりするが、表現力は十分だ。スロー中心のTrackはサウンドもオーソドックスで、まとまりがよく破綻が無い代わりに耳新しさには少し欠ける。ただ、各曲とも丹念に作られていて、クオリティは一定以上だ。

Rick Ross / Teflon Don
[Rick Ross / Teflon Don] Rick Rossの約1年ぶり、4作目。全作で全米1位と好調を持続しており、今回もハイレベルな一作となっている。アルバムタイトルは実在のマフィアのニックネームであり、曲の傾向自体も含めて、そっち方面好きも相変わらずのようだ。今回、Guestが一層、豪華なのだが、主導権を奪われることなく、うまくコントロールしている。中でも、Raphael Saadiq, Erykah Badu,特にDrakeの起用は、いいアクセントになり、変化を与えている。その他も良いTrack多数だが、それはRick Rossの迫力あるRapによってしっかりとしたコアができているからなのかもしれない。
Jazmine Sullivan / Love Me Back
[Jazmine Sullivan / Love Me Back] デビューアルバムがヒットし、GrammyにもノミネートされたJazmine Sullivanの2年振りの2作目。前作のレビューを読み返したら、そのまま当てはまりそうなぐらい、まずは継続路線で好調さも維持している。サウンド的に流行を深追いせず、どちらかといったらオーソドックス。アップ、ミディアム、スローがバランスよく配され、程よくバラエティに富んでいる。ディープで感情がこもったJazmineの唄が一層フィーチャーされていて、高音の曲の節回しなんか、やはりAlicia Keysを髣髴させている。
Kanye West / My Beautiful Dark Twisted Fantasy
[Kanye west / My beatiful Dark Twisted Fantasy] Kanye Westの5作目。前作は1種のコンセプトアルバムだったのに対し、今回は陰鬱な雰囲気を多少は引きずりつつ、方向性は3作目までの路線に戻っている。Rapパートは十分確保されているものの、PopやRackとの融合を、今まで以上に推し進めていて、唄も多くなっている。ジャンルやRap/唄の垣根など全く意識していないのだろう。また、金を時間をかけて作られただけあって、サウンドは相当凝っていて、Guestも豪華であり、すみずみまで聴く価値のある作品だ。
Faith Evans / Something About Faith
[Faith Evans / Something About Faith] Faith Evansの5年ぶりの5作目。Capitolを1作で去り、自身のレーベルからのリリースとなる。Bady Boyからデビューして15年たち、4児の母にもなって、随分しっとりと落ち着いた雰囲気のアルバムに仕上がっている。統一感があって、まとまりも良い。Trackはミッド〜スローが中心で、最近の音を控えめにとりいれつつ、Jazzyで大人っぽい曲の比重も増している。特に、Faithのシルキーな声には、後者がぴったりマッチしている。全体的に哀愁感はあるが、暗くはないので、夜聴くのに丁度よい作品だ。
Bun-B / Trill O.G.
[Bun B / Trill O.G.] 約2年ぶりとなるBun-Bの3rdソロ作。タイトルからすると,Trillシリーズ3部作の締めとなるのではないか。勇壮で哀愁感漂うTrack中心に、バウンシーな曲やメローな曲が配置されているところはシリーズで共通している。GuestをたっぷりとFeaturingしているのも同様だが、今回の特徴としては、2曲で起用されているDrakeによって、その哀愁感を強調していることと、Premierによるスクラッチが聴けることだろう。Bun-BのRapは相変わらず、男っぽいし、各曲のQualiyは高く、今回もハイレベルな出来である。
Fantasia / Back To Me
[Fantasia / back To Me] ほぼ4年振りとなるFantasiaの3作目。日本のファンからすると久しぶりな感じだが、USではTVのリアリティーショーや、ミュージカル, ラスベガスでのコンサートへの出演と活発な活動を見せていたわけだ。最近はスキャンダルもあった。Producerが少し地味になった気がするが、アップ~ミディアム~スローとバランスよく並べられたTrackでは最近の音をとりいれつつ、よりFantasiaの唄をフィーチャーしたアルバムに仕上がっている。もともとそのVocalには定評があったが、ミュージカル出演などを経て、より表現力があがったようだ。
B.o.B / B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray
[B.o.B / B.o.B Presents: The Adventures Of Bobby Ray] Aのヒットで名を上げ、Grammyにもノミネートされた 21歳のRapper, B.o.Bのデビュー作。Jim JonsinとT.I.の後押しもあって、メジャーからのリリースだ。特徴的なのは、オルタナっぽいロック色が濃いTrackが多いということ。しかもメロディが判りやすい。ロックにRapを載せている感じだ。したがってバンドサウンド的なTrackが中心となる。さらなる特徴としてVocalの占める割合がかなり多く、メインはVocalと言ってしまえるほどだ。ATL出身ではあるが、サウスっぽい曲は1曲ほど。俺自慢もギャングスタもなく、新世代Rapperのひとりであることは間違いない。
Ne-Yo / Libra Scale
[Ne-Yo / Libra Scale] Ne-Yoの4作目はコンセプト作。自身が脚本を書いた短編映画のOSTとなる予定だったもので、映画化は流れたが、そのストーリーをイメージした曲構成になっている。そのため、いつもの普段着の青年ではなく、映画のヒーローが主人公となった歌詞であり、Trackもきらきらとゴージャスな感じだ。もうひとつの特徴はMichael Jacksonを強烈に意識しているということ。Michael生前から、Vocal styleに影響を受けていたのは明らかだったが、今回は曲やsoundもMichaelらしくなっており、彼が2010年の流行をとりいれて作品を作ったら、こんな感じなのだろうと創造してしまう。(Stevie WonderっぽいTrackも1曲)。メロディも良いです。
Lil Wayne / I Am Not A Human Being
現在、服役中のLil Wayneの2010年、2枚目となる一応オリジナルアルバム。多作な人なので、服役直前に一気にアルバムに仕上げたのであろう。身内のYoung Money(特にDrakeは4曲)をGuestに多用したことからも、そう思われる。それでもレベルが落ちているわけでは無く、最近のLil Wayneのtrackの傾向を踏襲した、ロックよりの曲、メローな唄もの、シンセ使い、Drakeに影響されたのか内省的で空想的なTrackなど、バラエティにも富んでいる。
Janelle Monae / Archandroid
[Janelle Monae / Archandroid] Janelle Monaeのアルバムデビュー作。フリッツ・ラングのMetropolisという1927年の映画にインスパイアされた前作のEPを発展させたものだ。ということもあり、イマジネイティブでコンセプチャルな大作でもある。Monaeを含む3人のProducer TeamでほとんどのTrackをProduceしているのだが、作風はかなりユニークで比較対象がみつからない。Interludeのクラシックと映画調な雰囲気を除いても、バラエティに富んでおり、Afro, Pop, Asian, スローロック, フォークをも行き来して、またoutkastっぽい曲もあったりと相当の振れ幅だ。Vocal StyleはあえていうならErykah Baduに近い感じである。
Keith Sweat / Ridin' Solo
[Keith Sweat / Ridin' Solo] Keith Sweatのオリジナル10作目は、2年ぶりかつ、Kedarに移籍後の初のリリースとなる作品である。前作のレビューを読み返してみて、驚いたことに、書こうとしたことがほとんど変わらない。それだけスロー中心の濃厚なR&Bというスタイルが確立した人でもある。とはいえ、Auto Tune使いの曲を1曲目にもってきたところと最後にRaggaeっぽいTrackがあるところに変化の兆しはある。またJoeとのコラボ曲も目玉になるだろう。
Bone Thugs-N-Harmony / Uni5: The World's Enemy
[Bone Thugs-N-Harmony / Uni5: The World's Enemy] Bone Thugs-N-Harmonyの3年振りの作品。Bizzy, Freshが戻り、タイトル通り、オリジナルメンバー5人がデビューアルバム以来集結した。Producer, Guestとも外部の大幅に起用した前作に比べ、今回はDJ U-Neekが5曲Produceするなど、ファミリー度が高い。ファンク、メローなTrackに唄うようでメロディアスなRapというスタイルは普遍で、最近の流行にもつながるところがり、彼らの影響力の大きさを改めて感じることができる。逆に流行のエレクトロっぽい曲は1曲程度。どのTrackもQualityが高く、バラエティにも富んでいて、完成度の高いアルバムだ。
Leela James / My Soul
[Leela James / My Soul] Leela Jamesのカバー作をはさんで、5年ぶりのオリジナル2作目。今回は音楽的な相性が合うStaxからのリリースとなる。前作と同様、バンドをバックにしたディープでストレートなソウルであるが、ほんの少しアーシーさが薄れ、Popな方向に向いているようだ。アップ、ミティアム、スローがバランスよく配置されている。まだ27歳ではあるが、歌声は少し掠れぎみなところが力強い。RaheemとのDuo作Fなんか、本当に染みてくる。派手さはないが良作だと思う。
Eminem / Recovery
[Eminem / Recovery] Eminemの1年ぶりのアルバム。前作からの間隔は短いが作風には変化が現れている。全体的Popで聞きやすい方向に、シフトしているのだ。逆にEminemらしい毒気みたいなものは薄まって、時にはPositiveなメッセージを表現するTrackもあったりする。Dre Produce曲が1曲になり、多くのProducerを迎えていることも起因しているのだろう。Rapのスキルはかなり高い人だし、どのTrackにも迫力があって、Eminemが好みでは無い自分としても、作品のよさは認めざるを得ない。
John Legend & The Roots / Wake Up!
[John Legend / The Roots / Wale Up!] John LegendがRootsをバックに60-70年代のメッセージ性の強い曲を唄うカバー集。ブラスやストリングスなどを加え、当時の雰囲気を損なわないProduceがなされている。自身のソロ作ではPopな方向へと進むJohn Legendだが、今回は振り出しを遡り、思いっきりソウルフルなものになっている。そのVocalは力強く、ファンクであり、こちらのほうが素質が活かされているのは事実であろう。ヴェトナム戦争, 公民権運動, 人種差別, 貧困などをバックにした歌詞は現在にも通ずるものがあり、ある意味普遍性を持っている。凡百の企画物とは一線を画す名作である。
The-Dream / Love King
[The-Dream / Love King] 年に続くThe-Dreamの3作目。Love3部作の締めであり、本人によるとこれがラストアルバムになるのだとか。シリーズということもあり、トータルには前作の継続路線となる。R. Kelly, Michael Jackson, Princeなどへの憧憬が感じられるのも同じ。ただ、前作よりはR.Kelly色が強い気がする。ゲストがT.I.一人、自身のみのProduceが半分の6曲ということもあり、より自己を強く打ち出しているためかもしれない。エレクトロでAuto Tuneを使ったりしてはいるものの、他とは一線を画すねじれて篭った感じのユニークさを醸し出している作品である。
Big Boi / Sur Lucious Left Foot... The Son Of Chico Dusty
[Big Boi / Sur Lucious Left Foot... The Son Of Chico Dusty] Outkastの片割れであるBig Boiの初ソロ作。レーベル移籍問題などにより、3年越しのリリースとなった。一言で言うと、OutkastからAndre3000を抜いたようなサウンド。Atlanta人脈、Dangeon family仲間も起用している。なので大きなサプライズはないが、ファンクでのりの良いTrackやメローな曲など耳に馴染んでくる。エレクトロやフューチャリスティックな音を隠し味的に多様しているところも特徴的だ。これを聴くとOutkastの休眠状態からの復活をどうしても期待せざるを得ない。
Drake / Thank Me Later
[Drake / Thank Me Later] 昨年(2009)にリリースしたSo Far GoneがEP扱いなので、これがDrakeにとっての1st フルアルバムとなる。前作とスタイルは変わらず、唄の比重が多く、サウンドは全体を通して、茫洋として静かで内省的だ。ここのところは好き嫌いがわかれるだろう。普段の生活や恋愛を唄った(ライムした)歌詞もかなり新鮮で、新世代Hip-hop Artistであることは間違いない。大物Guestを呼びつつも、軸がぶれてないのは、実力が認められているからであろう。
Trina/ Amazin'
[Trina / Amazin'] Trinaの2年ぶり、5作目となるアルバム。デビュー以来コンスタントに作品をDropしており、いまや女性MCの第一人者のうちの一人といえそう。豪華Guest陣とのコラボがしっくりきていて、CDジャケット同様、なかなかゴージャスに仕上がっている。もちろん、サウスマナーののりの良い曲が中心となるが、Vocalと絡んだスローなTrackもじっくりと聴かせるものばかりだ。ビッチ色を残しながら、予想以上に大人なアルバムでした。
Jay Sean / All Or Nothing
[Jay Sean / All Or Nothing] UKのインド系R&B Singer, Jean Seanの3rdアルバムにしてUSデビュー作。といったもエスニックな香りはほとんどなく、極めて今時のR&Bアルバムである。USでも大ヒットし、のりが良くキャッチーなメロディの2や3も確かにわかりやすく良い曲であるが、残りはNe-Yoの流れにあるようなTrackが続く。声は伸びが良く、やや細めで、繊細な感じがするところも最近の潮流に合っている。佳曲ぞろいではあるが、Producerが2組ということもあって、やや単調なところもあるので、次回作では、Producerも旬なところの起用を期待したい。
Lil Jon / Crunk Rock
[Lil Jon / Crunk Rock] 一世を風靡した前作リリース後まもなくから噂のあったアルバムが6年の歳月を経てやっとリリースされた。East Side Boyzと袂を分かち、ソロとしてのデビュー作にもなる。引き続き、豪華Guest陣をむかえ、賑やかでのりがよくバラエティに富んだ作品ではあるが、6年分の変化が得られてないのは残念なところだ。アルバムタイトルから期待されるCrunkとRockの融合といった新機軸も見当たらないが、パーティアルバムとしては十分に楽しめると思う。なお、CDジャケットにはタイトルが大きくカタカナ表記されているが現時点では、日本盤はリリースされてない。
Kelis / Flesh Tone
[Kelis / Flesh Tone] NASとの離婚、will.i.amレーベルへの移籍を経てのKelisの約4年ぶりの5作目。尖がってはいるものの、流行とは違う方向性を示していて今までのKelisではあるが、今回は全編エレクトロで流行のど真ん中ともいえる作品だ。Producerもそちら方面からの登用で、David Guettaなどヨーロッパからの参画も見られる。これだけエレクトロ一辺倒だとかえって清清しいし、個々のTrackは面白いが、R&BらしさもKelisも大分薄まっている気がする。
Jaheim / Another Round
[Jaheim / Another World] Jaheimの3年ぶりのデビュー5作目。アルバムタイトル通りにAnother Worldなのは、そのタイトル曲のみで、それ以外は、今までと変わらない男っぽい本格ソウルが展開される。というか一層、普遍性が増した気もする。ミディアム中心にスローが少々という構成も変わらない。特徴的なかすれ目で芯のある声は相変わらず魅力的で、こちらも一層磨きがかかっている。この2010年には流行を追わない姿勢はかえって新鮮でもある。聴き応えがあるが、しっかり耳に馴染むアルバムだ。
The Roots / How I Get Over
[The Roots / How I Get Over] Rootsの2年ぶりのアルバム。メンバーの出入りが珍しくないRootsだが現在は7人編成だそう。バンドで集まってレコーディングしたそうで、アルバムとしてのトータルなまとまり/統一感は高い。が、その分、単調になってしまっているのも事実。インパクトに欠けるところは、唄の多さとGuestの多様さで補われている気もする。全体的にはスピリチュアルな印象であり、曲調は良い言い方をすればメローな、ストレートに言うとストイックで陰鬱なものが多い。個人的にはもう少し遊びが欲しかったかな。
M.I.A. / Maya
[M.I.A. / Maya] M.I.A.の3年ぶり3作目。1,2作は何をやってくるか想像できないところが、魅力であったが、流石に今回はそこまでではなくて、今までの延長線上という位置づけになるのではないか。業界においても確固たるポジションを得たと言ってもいいだろう。新機軸としては、エレクトロの導入であり、ロック的要素であるギター, ドラムなども適度に用いられ、重たい印象のTrackが多い。唄はいっそうパーカッシブでアグレッシブ。サウンド的には停滞気味な最近のHip-Hopに比べると、まだまだイケてると思う。
Nas & Damian Marley / Distant Relatives
[Nas & Damian Marley / Distant Relatives] RapとRaggaeのメジャー級アーティストによるコラボレーション作。アフリカが全ての始まりであり、人類はみな、遠い親戚という思想に基づくコンセプト作でもあり、AfricaミュージシャンのTrackの引用や2曲でのK'naanのGuest起用, 現地語によるRap(ほんの一部)採用にもその意志が現れている。サウンド的にはDamianやその兄弟のStephanによってProduceされていることもあって、ほぼルーツレゲエっぽく、Hip-Hop的要素は感じられない。Damianが唄とRap, NasがRapを担当し、自然にTrackに溶け込んでいることが感じられる。シリアルで重たい曲中心なので、心して聴き込みたい。
Erykah Badu / New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh
[Erykah Badu / New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh] Eryka Baduの2年振りの作品。Title通り、前作の続編ということになる。同時期に作られた曲もあるようで、同じようにJames Poyser, ?uestlove, Shafiq Husaynなどが曲作りに携わっている。ただし、攻撃的だった前作とは逆に、今回は内面的な方向に向かっており、歌詞等も恋愛について触れたものが多い。曲調も全体的に静謐かつ優しく、柔らかい印象で、スローが中心となる。唄い方も同様いライトな感じだが、ファンクネスを忘れていないとことがErykahらしいところだ。コンセプトアルバム的に統一感のあるアルバムであり、振れ幅が少ないのはいたしかたないだろう。
Raheem Devaughn / The Love & War Masterpeace
[Raheem Devaughn / The Love & War Masterpeace] Raheem Devaughnの2年ぶり、3作目。前作の好調さをキープしつつ、アーティストとしての幅を広げたようだ。Album Titleにあるように継続路線の愛を唄った曲は一層、情感豊かだし、一方、社会的メッセージを帯びた曲も響いてくるものがある。多くのTrackをKenny DopeがProduceし、オーソドックスながら質感のある曲が多いの特徴的で、スムースで滑らかなRaheemの唄にもマッチしている。Quality, 統一感とも高いアルバムである。
Meth, Ghost and Rae / Wu Massacre
[Meth, Ghost and Rae / Wu Massacre] Wu-tag Clanのなかでも比較的Activeな3人、Method Man, Ghostface Killah, Raekwonによる共作。約30分という小作品であり、おかげですぐに聴き終わってしまう。Ghostfaceの近作のようなSoul趣味も封印されていて、ストレートなRap Albumに仕上がっている。目新しさは無いが、相変わらず、フローには勢いと迫力があり、健在であるということを証明している。
Lil Wayne / Rebirth
[Lil Wayne / Rebirth] Lil Wayneの7作目はロックアルバム。Hip-Hopよりのロックでも、ロックよりのHip-Hopでもなく、ストレートなギターロックアルバムである。(Rap入りの曲はあるが。) サウンド的にはブラックロックっぽい曲とポップな感じのものが多い。意外と聴きやすいのは既聴感のあるというか、下敷きのわかるようなTrackが多いおかげで、故にロックとしてオリジナリティは低いと思う。ただ、それを補っているのは、好き嫌いは分かれると思うが、Lil WayneのAuto Tuneを多用したねじれたVocalだ。余興と呼ぶにはしっかりと作られた作品でもある。
Rihanna / Rated R
[Rihanna / Rated R] Chris Brownとのスキャンダル後、初となるRihannaの4作目。CDジャケットでの大胆な肌の露出も含めて、大人の女性へと変身したことを感じさせる作品になっている。特にサウンドはスキャンダル後の心境を反映してか、全体的にダークで、エッジが効いており、さわやかで明るい曲は1曲もない。特にChase & Status起用によるダブステップの導入とロック/ポップよりのTrackの多さが特徴的で、ギターが使われている曲も多い。そのぶん、R&Bらしさは大分薄れていて、最近のジャンルのクロスオーバーの傾向が、ここにも現れている。重たいなりにも聴き応えのあるアルバムだ。
Sade / Soldier Of Love
[Sade / Solder Of Love] Sadeの10年振りの6作目。もともと寡作な人たちだが、キャリアでも最長のインターバルである。10年たったからといって、大きな変化が起こっているわけではなく、アコースティックで落ち着いたバンドサウンドとVocalによって、丹念に作りこまれた楽曲が並んでいる。静謐で抑揚を抑えたサウンド、歌詞におけるメッセージ性と日常性といった特徴も変わりない。若干暗めの曲があたり、レゲエっぽさをとりいれた曲があったりするのが、強いてあげれば気になったところか。いずれにしろ、R&Bというジャンルに括ることが適さないOne and Onlyなバンドだしアルバムだと思う。
Alicia Keys / The Element Of Freedom
[Alicia Keys / The Element Of Freedom] Alicia Keysの2年振り4枚目。Piano styleのR&Bシンガーから、全方位的Pop Singerへと軸足を移しつつあるAliciaだが、今作でも、その傾向は深まっている。純粋なR&B曲、Hip-Hop寄りの曲は半分以下ではないか。Producerの人選にもその傾向が現れている。結果、Track的には、オーソドックスで、流行を取り入れたものが少なくなっている。また、Emoionalに唄いこんだ曲が無いのは、らしさが失われたようで寂しい気もする。とここまで書いたが、Popな曲もQualityは高いし、Pianoを取り入れた曲もしっかりあるし、アルバムとしての完成度は高いと思う。
 
 
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