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Syleema Johnson / Chapter V: Underrated
Syleena Johnsonの3年弱ぶり6作目。1曲目からUnderratedを強調しすぎで、今のポジションに相当不満がありそう。前半のUpな曲などはBeyonceばりの今時な感じで、中盤からはゆったりとして曲中心。いずれも表情豊かで、曲調に合わせて唄い分けるSyleenaの歌唱力は流石だが、特にスロー曲のVocalは沁みてくる。特筆すべき何かがあるとは言えないが、安心して聴けるまとまりの良いアルバムである。
Common / The Dreamer / The Belieber
[Common / The Dreamer / The Believer] 俳優業でも忙しいCommonのレーベル移籍後初となる3年強振りのアルバム。同じ地元で盟友とも言うべきNo I.D.が全面Produceを担っている。前作同様、肩肘張らず、気持ちよくRapしているCommonの姿が目に浮かぶ。Trackはサンプリング中心でPopでソウルフル。唄にも比重がおかれている。原点回帰な印象だが、Drake的な今時っぽいものもカバーしている。なお、いつものCommonパパのナレーションで締めくくっている。
Robin Thicke / Love After War
[Robin Thicke / Love After War] Robin Thickeの2年ぶりの5作目。いつもと同様、全曲のSong writingとPro Jayとの共同Produceをこなし、相変わらずの才人ぶりを発揮している。GuestもLil Wayneの1曲のみだ。内容はこれぞBlue Eyed Soulという一言につきる。前半にのりの良い曲、後半にスローを配し、アコーステッィクギター使いのラテンっぽい曲、Hip-Hopっぽい曲、FunkなTrack、Princeっぽい曲と多様な曲調のTrackを巧みに織り交ぜている。ファルセットも多くて、黒人ほど粘着性はないが、十分にソウルフルな作品だ。
The Original 7ven / Condensate
[The Original 7ven / Consendate] Princeのバックもつとめ、Jam & Lewisが在籍したバンド、The Timeのほぼ20年振りの復活作。バンド名は変わったが、メンバーはオリジナルのまま、一人追加されて7人となっている。彼らが活躍した80年代のサウンドそのままで、Princeにも相通ずるのりの良いFunk Rockが中心となる。既聴感たっぷりではあるが、そのバンドサウンドはブランクは全く感じさせない。逆に余裕と貫禄を見せつける洒脱で大人なアルバムである。
Kendrick Lamar / Section.80
[Kendrick Lamar / Section.80] Mixtape中心に活動してきたKendrick Lamarの1st オフィシャルアルバム。Compton出身で、2Pacにインスパイアされた、Westsideに属するRapper。Drugやアルコールに直面した若者の抱える問題を架空の人物、TammyとKeishaの生涯/生活を通して描く、Generation Yに捧げたコンセプトアルバム。なので、あまりにWestっぽくはない。Drakeに影響を受けたTrackもあるが、その一派とうこともない。ときにジャジーで哀愁感に満ちたTrackにKendrickのやや、ゆるめのRapや唄が馴染んでいる。
Lloyd / King Of Hearts
[Lloyd / King Of Hearts] Interscopeに移籍後初のリリースとなるLloydの4作目。Pollow Da Donの全面Produceによる、今時のR&B作品である。既聴感のあるTrackもあるが、アップからバラード、トランス風に、サザンマナー曲と意外とバラエティに富んでいる。そこのこれぞナヨ声というべきLloydのVocalが乗っかってくるのだが、どの曲にもそれなりにマッチしている。他の若手同様、MJっぽいシーンもある。Guest陣を適度にちりばめ、アクセントをつける工夫もされていて、十分に聴けるアルバムである。
Danny Brown / XXX
[Danny Brown / XXX] DetroitのMC, Danny Brownの2011年の作品。Spin誌では2011年のベストアルバムとされている。当初はレーベルよりMixTapeでリリースされ、2012年になってCD化された。Detroitということで、身内のProducerによるエレクトロな雰囲気のTrackに、Danny Brownの高めの声のややコミカルなRapが乗ってくる。自身の経験に基づくDrugもののLyricが特徴的。特に尖がってるわけでもなく、捉えどころの無い、これぞUnderroundというアルバムだ。
Meshell Ndegeocello / Weather
[Meshell Ndegeocello / Weather] Singer / BasistのMeshell Ndegeocello、2年ぶりの作品。わが道を行きつつ、幅広い音楽性を持ち、コンセプチャルなアルバムを製作する人だが、今回は、Singer Songwriter / ProducerのJoe Henryの全面Produceを任せ、本人はほぼ歌い手に専念している。内省的で静謐、語りかけるように唄うMeshellの特徴を良く活かすような、ゆったり目で音数の少ない曲がほとんど。ジャンル分けを拒むような、オリジナルな世界を展開しているが、Meshellに唄はきちんと耳に届いてくる。
Lil B / I'm Gay
[Lil B / I'm Gay] Downloadのみでリリースし続けるベイエリアのRapper, Lil Bのアルバム。一時、公式にFree Download可能だったが、現時点(2012/4)ではNGになっている。サンプリング中心のTrackにLil Bのrapのみという、オールドスタイルな構成ながら、選曲のセンスは良い。逆に社会を風刺したLyricのほうが特徴的だ。20代前半ながら、落ち着いたフローで、煽るわけでなく、語りかけてくるような感じ。なお、ここでいう"gay"とは"幸せな"という意味だそうです。
Anthony Hamilton / Back To Love
[Anthony Hamilton / Back To Love] 前作に続きチャートアクションも好調なAnthony Hamiltonの二年ぶりとなる6作目。いつものようなヒリヒリ感満載の作品。スロー中心の渋くて染みるTrackが主体というのもいつものとおり。Babyfaceが3曲でProduceしているのは意外だが、全く馴染んでいる。ファルセットも使ってりして、抑えた歌唱でじっくり聴かせてくれるるが、若返ったような気もする瞬間も。本当、Qualityの落ちない人です。
The Roots / Undun
[Te Roots / Undun] John LegendやBetty Wrightなど他アーティストとのコラボーレションも活発で継続して制作意欲の高いRootsの1年半ぶりの作品。Album Creditによると現在は8人編成らしい。今回はRedford Stephensという人の反省をフィクションとして描いたコンセプトアルバム。なのでSound Trackのような雰囲気を持ち、ラスト4曲による組曲はインストのみとなっている。唄とRapはほぼ半々で、ストイックで暗めな印象やざらつき感は前作と同様。40分弱ということも合って、なかなか濃密な作品である。
Mary J. Blige / My Life II... The Journey Continiues (Act 1)
[Mary J. Blige / My Life II... The Journey Continiues (Act 1)] Mary J. Blijeのデビュー10作目。名作といわれる2作目"My Life"の続きというべきか。中堅どころ+定評のあるProducerを起用し、どのTrackも完成度がかなり高い。サウンド面での目新しさは無いが、それは最近のR&Bに全て当てはまること。唄のほうはメロディ志向なのか、悲愴感が消え、透明感というか瑞々しさも漂い、ここにきて進化と貫禄を見せる。アップからスローまでと曲調も多様で、Guestも豪華なので、聴き応え十分なアルバム。
The Weeknd / House Of Baloons
[The Weeknd / house Of Baloons] エチオピア系カナダ人、Abel Tesfayeによるソロユニット, The Weekndによるmixtape。2011年にリリースされた3部作の2つ目。2012/3/17現在、自身のサイトからDownloadできる。同じカナダ人であるDrakeのサポートを得ているとのことで、音楽界全体でのチルウエイブ, ダウンテンポの流れに与するような、ぎりぎりR&Bのハウス, ダブステップを取り入れたゆったりめのTrackは内省的で幻想的だ。ファルセットを取り入れた唄い方もR&Bというよりロックに近い。LyricはDrug, Sexにも及び、こちらは厭世的な印象を受ける。
Big Sean / Finally Famous
[Big Sean / Finallly Famous] 2007年にKanye WestにHookされた、デトロイトのRapper, Big Seanのデビューアルバム。KanyeのG.O.O.D.レーベルからのリリースとなる。ここ2-3年の新人Rapperの特徴である内省的、ダウナーな印象は、ほぼ無くて、アルバム全体としてポップである意味従来型。ノリの良い曲が多く、聴き易い。No I.D.が半数以上のTrackに関わり、そんな雰囲気を作り出している。Big SeanのRapは唄パートも多くで、強い個性は感じられないが、その分、豪華Guest陣で盛り上げている。
Betty Wright and The Roots / Betty Wright: The Movie
[Betty Wright and The Roots / Betty Wright: The Movie] ベテランR&BシンガーBetty Wrightの10年ぶりのアルバム。その間も客演やGrammyノミネーションなどもあって、ブランクを感じさせない作品である。もう一方の主役はThe RootsでJohn Legend, Booker-Tと続くR&B畑のArtistとのコラボレーションをバックバンドに徹して成功させている。Betty Wrightの唄は、成熟して渋みはましているものの、まだまだ枯れては無く、アップ〜ミディアム〜スローと緩急自在にノリ良くこなしている。SnoopやLil Wayneとの競演も意外にマッチしていいて、ゆったりとくつろいで聴ける良曲揃いの作品です。
Frank Ocean / Nostalgia. Ultra.
[Frank Ocean / Nostalgia. Ultra.] 24歳、New Orleans出身のSinger, Frank OceanのMixtape。Christopher "Lonny" Breauxとして、John LegendやJustin Bieberへ楽曲提供し、また、Kanye&Jay-ZやBeyonceのアルバムにSIngerとして客演しと、Artistとして順調に活動開始したが、所属するDef Jamから許可が出ず、これはMixtapeでのリリースとなった。Kanyeの808s & HearbreakやDrakeの諸作の流れを汲むような、従来のR&Bらしくない作品で、ジャンルにとらわれず、RadioheadやColdplayをカバーしたりして、インディロックに近い印象も受ける。唄も歌い上げず、ナヨ声でもなく、内省的な感じだ。OFWGKの一員でもあるが、作風は一線を画していて、だれでも聞きやすいのがありがたい。
Booker T. Jones / The Road From Memphis
[Booker T. Jones / The Road From Memphis] MG'sを率いてStaxのハウスバンドをつとめ、Otis Reddingなどとも共演したベテランオルガン奏者Booker T. Jonesのインスト主体の最新作。バックにThe Rootsの?uestlove(ds), Oweb Biddle(b), Captain Kirk(g)をバックに、グルーブ感たっぷりの熱い演奏を繰り広げる。TrackはGnarls BerkleyやLauryn Hillなどのカバーはあるものの、残りは本人による新作。Guest Voもインディバンドからと決して回顧的な作品ではなく、現役感のある新旧がうまく融合したアルバムだ。
Wale / Ambition
[Wale / Ambition] Waleの2年ぶり2作目。その間にRick Ross率いるMayback Music Groupに移籍してのメジャーリリースとなる。そんなこともあって、Producer, Guestは総入れ替えになっているが、1stからのコンセプトを大きく変えてはいない。Trackは全体のトーンは変わらないが、Hornを多用したカッコ良いものや、Drakeなどに通じる静かな内省的なもの、メロディアスな唄をフィーチャーしたものと適度にバラエティに富んでいる。WaleのRapは力強さが出てきていて、逆に普通っぽくなった気もする。同時期にデビューしたDrakeやKid Cudiに遅れをとっていたが、アルバムのQuality的には追いついたと言えそうだ。
Eric Roberson / Mister Nice Guy
[Eric Roberson / Mister Nice Guy] インディ系Neo Soulシンガー, Eric Robersonの2年ぶりのアルバム。オルガンなども起用し、音数を抑えて温かみのあるバンドサウンドによる、Music Soulchildほどは捩れてないフィリー系ソウル。軽快とまではいえないが、暑苦しくなく、サラッと歌い上げ、耳に心地よく、とても馴染む。多くのProducerを起用するが、統一感があって、一曲一曲が大事に作られている判る。大人向けの良質なソウルです。
Seun Anikulapo Kuti & Egypt 80 / From Africa With Fury: Rise
[Seun Anikulapo Kuti & Egypt 80 / From Africa With Fury: Rise] Nigelia音楽界のカリスマだったFela Kutiの息子であり、後継者であるSeun Kitiの2作目。バックバンドEgypt80も父から継承し、SeunはAlto SaxとVoを担当している。当作の特徴はAfrica音楽に造詣が深いBrian EnoをProducerに迎えていること。勢いがあって、激しいSeunのAfrican beatのカッコよさを引き立てつつ、ダンサブルに洗練している。World Music愛好者以外の耳も引きつけるに十分だ。Instrumental Partは多いが、Seunの歌声は20歳台とは思えぬたくましさと風格を兼ね備えている。
DJ Quik / The Book Of David
[DJ Quik / The Book Of David] DJ Quick, 6年ぶりのオリジナル作。ハードなTrackは少しで、残りはミッド〜スローな、スムース&メロウでファンクな曲が占めている。80年代ディスコテイストな曲も多い。そういう意味ではDJ Quikらしさ全開。身内のGuestを多めに起用し、ここぞというところではIce Cube, Bun Bなどでメリハリをつけている。時流との隔たりはあるが、レイドバックして聴くにはちょうど良いアルバムだ。あとクラブにも。
Kindred The Family Soul / Love Has No Recession
[Kindred The Family Soul / Love Has No Recession] フィリーのおしどり夫婦Duo, Kindred The Familyの3年振り、4作目。Purpose移籍後の初リリースとなる。過去からぶれることは無く、今回もDre&Davisなどお馴染みのProducerたちが、ソウルフルでオーソドックスな音作りで盛り上げ、夫Fatinは野太い声で熱く、妻Ajaは表現力豊かに歌い上げている。Chuck BrownとのGo-Go共演を含め、アップからスローと曲調も幅広い。フィリーに根ざした人たちらしく、地元アーテイストとの交流も取り入れた地元愛に満ちた温かいアルバムである。
LMFAO / Sorry For Party Rocking
[Sorry For Party Rocking] Motownの創始者Berry Gordyの子供と孫、計2人によるHip-Hop Duo, LMFAOのヒット中の2ndアルバム。サウンドはシンセ多様のEuro Popで、それを彼らはParty Rockと称している。ちなみにProducer team名も兼ねている。いまさらのAuto Tune使いで目新しさは無く、ノリ重視でグイグイ押してくる聞き易いClub向け音楽であるが、その振り切れかたがとても潔い。Executive Producerのwill.i.amのBEPの最近の作品に通ずるものもある。前半はPop, 後半はHip-Hopよりという構成。
Mayer Hawthorne / How Do You Do
[Mayer Hawthorne / How Do You Do] Mayer Hawthorneのメジャーデビュー作。インディでのソロデビューから約2年ぶりとなる。MotownなどOld Soulへの傾倒ぶりは前作同様だが、Steely Danっぽい曲や(古めの)British popっぽい曲など、Soulにとらわれず、Popで聞き易く、判りやすいTrackが多い。またファルセット多様のVocalはだいぶ上達したようだ。メジャー移籍した割には、Produce, Recordingもほぼ自身でこなし、手作り感は前作のままだが、次作では新たな展開も期待したい。
Drake / Take Care
[Drake / Take Care] デビュー作で成功を収めたDrakeの 2nd Album。方向性は変わらないが、よりアンビエントな曲やR&Bに近づいた曲が増えて、完成度も高まったように思える。長年の相棒、Noah "40" Shebibが多くを手掛けるゆったりとしたTrackにDrakeの茫洋としたVocalで身近でEmotionalな詩を歌うという基本も変わらない。が、以前よりは少しオープンな感じがして、リスナーにとっても受け入れやすいのではないか。まだまだ好き嫌いは分かれると思うが、その勢いも含めて、2010年代初頭のHip-Hopの方向性を代表している作品。
Tyler, The Creator / Goblin
2011年、大きな話題を集めたLAの若者によるクリエーター集団Odd Future Wolf Gang Kill Them AllのリーダーであるTyler, The CreatorのデビューCD。2011年、最大の問題作でもある。1曲を除き、Tyler本人が、Produceしている。Logicを使って作ったらしTrackはシンセ中心のシンプルなもの。ときにスペーシーでアンビエントであり、才能が感じられる。ただLyricのほうは劇画調で、露悪的、諧謔的、猟奇的で暗い。白人のインディロック系のファンに受けていることもあって、従来のHip-Hopらしくない作品だ。
J Cole / Cole World : The Sideline Story
[J Cole / Cole World : The Sideline Story] Jay-Zを後ろ盾に、チャート1位と、順調な滑り出しとなったJ Coleのアルバムデビュー作。自身で12曲をProduceしている。ただ、ProducerがRapしているのではなく、RapperがProduceもしているというのが過去の傾向と違うところ。専門Producerに劣らない安定したTrack makingである。RapスタイルはDrakeに代表される最近の肩の力のぬけたタイプに属するが、力強さももち、ハードな面ものぞかせる。突出した個性は無いが、ProduceもRapもそつなく、これが、2010年代のアーティストなのかもしれない。
Tank / Now Or Never
[Tank / Now Or Never] Tankの3年ぶり4作目。今回、自身の属するProducer TeamであるSong Dynastyが多くの曲をProduceしている。ミディアム―スロー中心のR&Bというところは、以前からの路線継続。歌詞では性愛路線をつきすすみ、Trackは、時流をとりいらながら、奇をてらわず、ゆったりとおだやか。しっとりとやさしく歌い上げるTankのVoに当然、マッチしている。コンセプトがはっきりしてるだけに、まとまりの良い作品。
Lil Wayne / Tha Carter IV
[Lil Wayne / Tha Carter IV] メイン路線のTha Carterシリーズとしては3年ぶりとなるLil Wayneの9作目。彼の作品としては、いつになく、オーソドックスな作り。一つ前の、I am not a human beingからの傾向だが、時代の風潮を反映してか、重々しく、暗めな傾向のTrackが多い。ウィージーのRapもいつもよりはゆるさ控えめだ。その分、地に足のついたリアルな印象を受ける。多用されている若手Producer陣も、着実な仕事で、まとまりの良いアルバムに仕上がっている。
Adele / 21
[Adele / 21] UKの女性Pop Singer, Adeleの2年振りの2作目。タイトルも2つ年齢を重ねて、”21”となっている。作風は前作同様、PianoやGuiterによるアコースティックサウンドで、フォーキーで時にR&B, Jazzっぽかったいしている。表現力も増して、静謐な中でも徐々に盛り上がるAdeleの唄を中心に据えたProduceによるアルバムの統一感がでている。良いメロディの曲が多いので単調にはならずに済んでいる。なお、CDブックレットを見たら、意外とふくよかなAdeleでした。
Jay Z & Kanye West / Watch The Throne
[Jay Z & Kanyw West / Watch The Throne] Hip-Hop界の大物、Jay-ZとそのJay-Zが見出したKanye Westのコラボレーション作。とはいえ全体のトーンはKanyeの前作(My Beatiful Dark Twisted Fantasy)の流れを汲み、Trackもよく作りこまれている。つまり、Kanyeの作品にJay-Zが全面Guest参加しているような印象だ。ただし、Neptunes, Q-Tip, Swizz BeatzなどのProduce曲も後半に配置し、Odd Future Wolf Gang Kill Them AllのFrank OceanをGuestに向かえ変化をつけ、新たなお楽しみを提供してくれている。
Jill Scott / The Light Of The Sun
[Jill Scott / The Light Of The Sun] Jill Scottの4年ぶり、4作目のオリジナルアルバム。レーベル移籍問題を経て、Warnerでの初リリースとなる。前作でも起用していた"J.R." Hutsonとの二人三脚での制作となるが、Hip-Hopにも接近し、自身のRapやPoetry readingもとりいれていて、過去の作品に比べ、自由度が増しているのが特徴的だ。Anthony HamiltonとのAなどR&Bとしての佳曲もあるが、長尺で途中、曲調の変わるDや極端に短いTrackもあり、構成はバラエティに富んでいる。後半は一転してJazzyでアンビエントないつものJillに戻る。レーベル移籍をよい機会にして、自身の世界を広げることに成功したアルバムである。
Jennifer Hudson / I Remember Me
[jennifer Hudson / I Remember Me] Jennifer Hudsonの3年ぶり2作目。家族の悲劇を乗り越え、自らの出産も経ての復活作ということになる。前作では時流の音をとりいれ、意外な気もしたが、今回はよりJenniferのVocalをフィーチャーしている。Producerが総変わりしたわけではないので、意識的にそういうProductionにしているのであろう。ただし、極端にではないが、2010年代らしいTrackももちろんある。そんなかでもAlicia Keyが夫Swizz Beatzも伴って、3曲Produceしているのが小サプライズだ。(Aliciaもそっち方面に活動を広げるのか)。CDジャケットを見る限り、かなり痩せたJenniferだが、Vocalはよりふくよかになり、前作よりも迫力のある歌唱を聴かせてくれている。Trackもupからバラードまでとバラエティに富んでいて、飽きのこない作品である。
Rahsaan Patterson / Bleuphoria
[Rahsaan Patterson / Bleuphoria] ユニット作などをはさんで、Rahsaan Pattersonの約4年ぶりのオリジナルアルバム。今まで以上にプリンス/80年代ファンク志向が感じられる。後半にかけては、スムースでメロウなTrackが続き、一種独特なゆったりとして静謐な空気につつまれる。ファルセットを多用した、中世的な声と美しいメロディも、その雰囲気に良く合っている。
Kelly Price / Kelly
[Kelly Price / Kelly] 前作はGospelだったので、8年ぶりとなるKelly PriceのR&B作。リリース間隔は長いがどのアルバムも高品質で安定している。今回も同様で、Warryn Campbellが7曲Produceと大活躍し、アップ-ミディアム-スローとバランス良く佳曲を提供してくれている。オーソドックスなアレンジのバンド演奏をバックに、Kellyも気持ちの良いVoを聴かせてくれている。曲調に合わせて、唄い分けているところもあり、Balladなどでは、いつもの迫力で押してくる感じ。一聴して、名盤と思った。中身が詰まってる。
Chris Brown / F.A.M.E.
[Chris Brown / F.A.M.E.] Chris Brownの1年強振りの4作目。スキャンダルの痛手も徐々に癒えてるようで、クオリティ的にはsalesはいまいちだった前作から,3つの公式Mix tapeリリースを挟み、好調を継続している。Bonus Trackまで含めると18曲で、流石に長い気もするが、かなりバラエティに富んでいて飽きが来ない。Producerも新し目の人たちを起用し、序盤はスロー、中盤でテクノ/ハウスよりと進み、K-PopっぽいTrackもあったりする。本人のVoはR. Kely, Michael Jacksonの影響を受け、この路線の継承者であることを印象付けている。
Ledisi / Pieces Of Me
[Ledisi / Pieces Of Me] Ledisiの2年振りの作品。過去、メインストリームとは距離を置いたところにポジションを確立している印象があったのだが、今回は、一番近づいていて、ある意味、普通のR&B作品であろう。前作に比べると、スローに重心を移し、しっとりした大人向けになっている。それもこれもLedisiの歌唱力があってこそであって、当然Vocalがフィーチャーされている。Producer陣も佳曲を提供し、きっちりバックアップしている。
Bobby V / Fly On The Wall
[Bobby V / Fly On The Wall] Bobby Vの2年ぶり4作目。前作はIndyレーベルだったが、今回はメジャー(Capitol)からのリリースとなる。といっても、Tim&Bobを多くの曲で起用し、作風はデビュー時から変わりない。特に今回は、最近のR&Bの潮流に合わせて、全体的に(特に前半)、メローなスロージャム中心。後半はRapperをGuestに起用し、今っぽいTrackも。30歳を越えて、歌唱力といい、作品の安定感といい中堅を代表するSingerであることは確かだが、そろそろ変化も欲しい気もする。
Marsha Ambrosius / Late Nights & Early Mornings
[Marsha Ambrosius / Late Nights & Early Mornings] 仲違いにより2006年に解散してしまったFloetryの片割れ、Marsha Ambrosiusのソロデビュー作。当初、Aftermathにも在籍したが、結局はJ Recordsに移籍しての満を持してのリリースである。CDジャケットを見て、まず驚いたのは、Floetry時代よりかなりほっそりして意外と美人だったこと。アルバムの雰囲気も、そのCDジャケットとタイトルから想像したほうが良い。逆に、FloetryやNeo Soul, Aftermath時代にmix tapeでトライしたHip-Hopっぽい感じは当てはまらない。時にアンビエントに、またセクシーにとスロー中心のTrackを感情豊かに歌い上げている。また、Song WrtingやProduceにも才能を発揮している。数回聴くうちに良さが判ってくるアルバム。
Raphael Saadiq / Stone Rollin'
[Raphael Saadiq / Stone Rollin'] Raphael Saadiqの3年ぶりのアルバム。前作同様ルーツ趣味を前面に押し出している。今回はファンク, ロックンロール, ブルースなどを幅広く志向していて、Guitarが中心であり、少し、アルバムの雰囲気は異なる。とはいえカバーではなく、Produce, Song Writing, 楽器をほとんどRaphael 一人でこなしているのは流石。また、ミックスも洗練させず、往時のような雰囲気をだしている気がする。
Wiz Khalifa / Rolling Papers
[Wiz Khalifa / Rolling Papers] Mix Tapeで衆目を集めたWiz Kahlifaのメジャーデビュー作。GuestでもあるCurren$yとともにStoner Rapを代表するRapperだ。Pittsburghという、この世界では珍しい出身なので、West, Southなどの地域に属さず、地元のE. Danが半数近くをProduceしている。不気味なCDジャケットにマリファナ礼賛なので、trackはハードなものかという予想に反して、基本的にはゆるいものが多い。メローであったり、ある意味、爽やかだったりするTrackも多く、これにはStargateの参加の影響もあったりするかもしれない。また終盤にはロックっぽい曲も配されている。Wiz KahlifaのRapは、これらのTrackにあわせて唄うようなものも多く、レイドバックした、ゆるいフローも曲調にマッチしている。
Musiq Soulchild / Musiqinthemagiq
[Musiq Soulchild / Musiqinthemagiq] 約2年ぶりとなるMusiq Soulchildの6作目。過去の作品と比べると、最も作風に変化が見られる(といっても、大きなものでは無いが。)。Musiqらしいねじれ感、ザラつき感が薄れ、R. Kellyにも通じるようなハッピーミュージックを表現しているのだ。曲調はシンプルながら、シンセやホーンなどを用いて、Trackは結構、凝っている。これにファルセットもときには用いてメローで大人なVocalをのせている。メディアム-スローの曲が多く、メロディが単純に美しく、耳に馴染んでくる。
Pharoahe Monch / W.A.R. (We Are Renegades)
[Pharoahe Monch / W.A.R. (We Are Renegades)] Pharoahe Monchの約4年振りの3作目。Duck Downへ移籍後初リリースとなる。Producer, Guestともメジャー級は少しであり、地味な気もするが、力のこもった曲ばかりだ。ロックっぽい曲やメローな曲も後半にあったりして、飽きのこない構成になっている。Monchのフローもベテランだけあって安定し、こちらも力強い。時流とは一線を画しているが、ストレートで質実剛健なアルバムである。
Chrisette Michele / Let Freedom Reign
[Chrisette Michele / Let Freedom Reign] Chrisette Micheleの1年半ぶりの3作目。少女っぽさが残るデビュー作から、順調に成長してきているのが判る。特に、今回はVocal表現の幅が格段に広がり、迫力がでてきている。前の可愛らしい感じも良かったが、一皮向けて、堂々として前向きなChrisetteも素晴らしい。相性の良いChuck Harmonyに全曲のProduceを任せているが、決して、小さくまとまらず、Chrisetteの魅力を引き出しつつ、多様なTrackを生み出しているのは流石。適度に時流の音もおさえつつ、Rapなどでアクセントもつけている。John Legend, Jazmine Sullivanが楽曲提供し、p/back voで参加しているDなんか、ほんとに味わい深い。
Lupe Fiasco / Lasers
[Lupe Fiasco / Lasers] Lupe Fiascoの3年ぶり、3作目。1,2作目が好調だっただけに、インターバルが長かったように感じるが、レーベルとうまくいってなかったようだ。ただし、セールス的には一番らしい。前2作はストレートなHip-Hopというより、サブカルチャー的要素を押し出したものだったが、今回はロック/ポップ色の強い作品になっている。というかhip-hop風味のロック/ポップ作と言い換えたほうが適切かもしれない。ほぼ全曲に唄がフィーチャーされているのもその一因だ。Lupeのラップも曲調に合わせてか、以前より、力強さが増している。ただし、ダークで哀愁に満ちたTrackの雰囲気は変わっていない。
Snoop Dogg / Doggumentary
[Snoop Dogg / Doggumentary] Snoop Doggの約1年半ぶり、11枚目のオリジナルアルバム。前作は尺短めだったが、今回はいつもどおり、21曲、77分強でおなか一杯である。一線のRapperの中では最も品質の安定したひとだと思っているが、その認識は当作でも間違いなかった。全体としてはゆるくメローでファンクな曲が多く、ところどころ(5)のように激しいTrackやカントリー調な(17)がインパクトとなっている。前作ほどではないが唄も多い。自分は引き気味にして、多用したGuestを、うまく活用しているのも最近の傾向のようだ。さすが、余裕の一枚。
 
 
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