2017 Best 50 Albums
2017 Black Music Best 50 Albums by planet.ky
2017 年(ほぼ)リリースのブラックミュージック(R&B, Hip-Hop など) アルバム ベスト 50 です。 ランキングは当サイト独自です。
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Kendrick Lamar / DAMN.
未発表曲集を挟み、約2年振りとなるKendrick Lamarのオリジナルアルバム。大傑作だった前作に比べると、コンセプト性もなく、現在のKendrick Lamarの自然体な内面を晒したような作品になっている。
曲調はWestsideっぽい哀愁調のものから、メロディアスなスローなど様々。どこか抒情的な雰囲気の曲も少なくない。
Rihanna, U2(!)などのGuestもあまり目立たず、Kendrick LamarのRapとLyricに焦点を当てており、そのスキルが一級品であることをあらためて見せつけている。
No.2
SZA / CTRL
St. Louis出身で27歳になるSinger, Song Writer, SZAのメジャーデビュー作。Artist nameはRZAへのリスペクトを込めているらしい。デジタルでのEPを経て、満を持してのリリースであり、TDEの紅一点ということでレーベルメイトのKendrick Lamarもゲスト参加している。いわゆるR&B色は希薄で、オーガニックでゆったりとしたサウンドが特徴的。Rock, Folk, JazzにHip-Hopなどをミックスしたような独特のみずみずしい作風であり、既にしっかりと個を確立している。Vocalも力強く、表現力も高い。メインプロデューサーを3人に絞ったことにより、まとまりの良いアルバムになっている。
Vince Staples / Big Fish Theory
前作で高評価を得て、注目MCの一人となったVince Staplesの2年振り2作目。Von IverやDamon AlbarnなどHip-Hop以外からのArtistを迎え、多少、とっちらかり気味ではあるが、Audienceに迎合せず、作りたい作品を作ったようだ。その結果、Darkで低体温で不穏な雰囲気は引き続きだが、エレクトロの要素を多く取り入れて、自分にとっては、少し聴きやすくなった気がする。それでもシーンではOne and Onlyな存在だと思うし、次の展開も期待される。
No.4
Sampha / Process
South London出身のSinger / Writer / Producer, Samphaの1stフルアルバム。The XX, Jessie Ware, Kanye Westなど数々のアーティストとの仕事を経て、待望のデビューということになる。アルバムの印象はかなりユニークで、R&B, Pop, Electric, Rockをクロスオーバーさせたジャンルレスなものになっている。低体温でゆったりと静かに燃え上がるような曲が多く、アンビエントでありながら、USのものとは違う何か儚い感触がある。まだ、少しざらついてくぐごもったSamphaの声もかなり特徴的で、もやっとしたサウンドに溶け込んでいる。
No.5
Jay-Z / 4:44
Jay-Zの4年振り、13作目。Beyonceが前作のLemonodeで、Jay-Zの浮気を嘆いていたことに対するアンサー作的な位置づけになり、1曲目から”Kill Jay-Z”とRapしたり、Beyonceや娘(Bonus Track)をGuestに起用したうえで、Family色を押し出した曲を後半に配置したりと、イメージ回復に躍起となっている。
前作No IDによるTrackは、古めのソウル曲のサンプリングを多用しつつ、うまくまとめており、流石のQualityと統一感を生んでいる。
弟子のKanyeの初期の作品を彷彿させる気もする。まあ、壮大な茶番劇といえないこともなく、こんなことまでビジネスに結びつけるJay-Zは流石の商売人だ思う。
Tyler, the Creator / Flower Boy
Tyler, The Creatorの2年振り4作目。全体的に、浮遊感のあるPopでメロウなTrackが多く、JazzやFolkっぽい曲もあったりして、今まで以上に聞き心地が良い。Frank Ocean, Steve Lacyなどの身内や若手MC(一人はWill Smithの息子)、EuroからのGuestを迎え、なかなか華やかでもある。ただ、Lyricのほうは、自身の現実の問題などもからめつつ、相変わらず暗め。低くよれたRapも今まで通り。ただ、これ、全部Produceしているのは、なかなかの才能だと思う。
Kelela / Take Me Apart
2013年リリースのMix Tapeが好評だったDC出身のVocal, Kelelaのフィジカルデビュー作。そのMix Tapeに引き続きUKよりJam Cityと、なんとArcaがProducerとして参加していて、R&Bの枠を大幅に越えたジャンルレスなVocal Albumになっている。
シンセを多用したTrackは、スローで浮遊感のある揺蕩うようなものばかりであり、Bjorkに影響を受けたというKelelaのなめらかで透き通った声と一体化している。ただ、逆にKelelaの唄が唯一R&Bらしい気もする。
やや単調なところもあるが、新しいR&Bの方向性を示した意欲作だと思う。
No.8
Thundercat / Drunk
LAの音楽一家出身で、Suicidal Tendenciesでの活動を経て、Erykah Baduへの曲提供、さらには、LA人脈のFlying Lotus, Kendrick Lamar, Kamasi Washingtonとの共演・交流もあってシーンの重要人物の一人となったBassist/SingerのThundercatの3枚目のアルバム。そのFLying LotusのLabelからのリリースであり、多くの曲でAdditionnal Productionとして参加している。不穏な雰囲気のCDジャケットとは裏腹に意外にPopで爽やかなAORっぽい曲が多い。TrackはFlying Lotusの諸作に通じるJazz, Rock, Fusionをクロスオーバーさせて一捻り加えたようなもので、ThunderctatはBassと唄の双方でフィーチャーされ、唄はファルセットを多用した茫洋としたものがほとんど。サウンドはBass+打ち込み+たまにDrumなどの楽器による構成となっている。短めの曲を切れ目なく繋いでいく中毒性の高いアルバムである。
No.9
Migos / Culture
ATL出身の親戚3人によるHip-Hop Act, Migosの2作目にして、大ブレイク作。④の替え歌をSNSに乗せるのが流行ったようで、このアルバムもチャート1位を獲得している。
南部の一大潮流となったTrapの2017年を代表する作品になっており、Zaytovenなど、そっち系のProducerによるシンプルなTrackが特徴的である。それだけでなく、3人組の特徴を活かした掛け合いというか合いの手というかで、独特で絶妙な間を作り出しており、これがやみつきになる。
No.10
Syd / Fin
The InternetのVocal, Sydのソロデビュー作。The Internetは比較的ストレートなバンドサウンドが特長だが、こちらはより密室的で艶やかなR&B作である。Erykah Baduあたりに近いかもしれない。バンド仲間のSteve Lacyは自身で半数近くをProduceし、その他若手Producerも起用したTrackはスロー中心でエレクトロな雰囲気であり、茫洋としてアンビエント。内省的で静謐なSydの唄がマッチしている。統一感のとれたアルバムでもある。