2025 Best 50 Albums
2025 Black Music Best 50 Albums by planet.ky
2025 年(ほぼ)リリースのブラックミュージック(R&B, Hip-Hop など) アルバム ベスト 50 です。 ランキングは当サイト独自です。
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Clipse - Let God Sort Em Out
Pusha T(弟)、Malice(兄)による兄弟Duoのなんと19年ぶりの3rdアルバム。Def Jamによる②でのKendrick LamarのLyricに検閲を嫌って自主制作によるリリースとなっている。
二人の地元仲間Pharrellが全曲Produceし、相性の良さを示しているが、残念なことにChadは裁判の関係ではずれている。Trackは比較的シンプルでドラム、ベースを効かしたものが多く、Hip-Hopとしてのコアをはずしていないが、バラエティさには富んでいる。多くの曲でキャッチーなVocalが加わって、急にカラフルになるのはPharrellの真骨頂と言えそう。
ゲストも豪華で前出のKendrickに加え、兄弟が母を失ったことを唄う①でのJohn LegendやThe-Dream, Nas, Tyler, The Cretor(自分が購入したCDでは除外されていた。)など豪華で、①ではStevie Wonderによるモノローグも聴ける。
36分強のアルバムによくぞここまで詰め込めたといえる濃厚なアルバムになっている。
No.2
Dijon - Baby
Washington生まれでLAを拠点に活動するProducer, Writer, SingerであるDijonの2ndアルバム。2010年代中盤より活動を始め、既に33歳であるが、今年(2025)、当アルバムで大ブレイクを果たし、Grammyでは当作とJustin BieberへのProduceでProducer Of The Yearにノミネートされている。
まずノイジーでカオスなTrackに、シャウト気味で擦れているうえにエフェクトを効かせたボーカルが特徴的。メロディ自体はPopでメロディアスなものが多く、Track次第では全然違ったアルバムになったのだろうと想像する。
ただ、当作での予測不能性と、くぐもった全体感を伴った違和感が耳を引き付けることは間違いない。Princeを彷彿させるところもあり、当面の間、目が離せなさそうだ。
No.3
FKA twigs - EUSEXUA
前作がMixtape扱いだったので、オリジナルアルバムとしては6年ぶりとなるFKA Twigsの3作目。タイトルのEUSEXUAは多幸感を意味するEuphoriaにsexを混ぜ合わせた彼女による造語だそうで、アルバムノートに辞書風な記述があり、冒頭には”存在の状態:アート、音楽、セックス、そして結束によって往々に呼び起される瞬間的な超越の感覚”とある。
そんなタイトルにあるような解放感を印象付けるアルバムになっている。KorelessがメインでProduceしており、UKガラージ、ベースライン、テクノなどを取り入れたダンサブルでアンビエントなTrackが並ぶ。
なお、享楽的な⑧ではKanye WestのNorthが日本語でラップしている。FKA Twigsはソフトで、かつ、ときに官能的な唄声を聴かせてくれている。
Blood Orange - Essex Honey
Blood Orangeのオリジナルアルバムとしては7年ぶりとなる5作目。2023年に母を失った喪失感と幼少期を過ごしたUKのEssexをモチーフにしており、スローかつ静謐で切ない曲が続く。
TrackもBlack Musicっぽいところはあまり無く、かつてないほどUKらしい印象だが、ドラムンベース、Jazz、R&Bなどの要素も感じられる。Pianoやアコースティックギターなど生楽器が茫洋としたサウンドの印象を決めているが、ところどころで奏でられるチェロによって物悲しさが押し寄せてくる。これに美しいメロディと柔らかいVocal、ゲストによるコーラスが加わり、よりエモーショナルな作品へと昇華している。
最後の⑭では克服していこうという意思が感じられ、次へとつながっていくのだと思う。
No.5
Little Simz - Lotus
EPを挟んで3年ぶりとなるLittle Simzの6作目。盟友だったはずのInfloとは金銭トラブル(かなりの額を踏み倒されて裁判になっている。)もあって袂を別ち、新たに、そこまで著名ではないMiles Clinton JameをProducerに迎えているが、これが良い方向に働いている。
そのInfloの件を唄った①(タイトルはThief)など怒りを表現した曲もあるが、後半にかけて穏やかな曲が多めになっている。全体的にTrackは楽器メインであり、密室性の高かった今までと比べ、ナチュラルでプリミティブになっているのも特徴で、Jazz,、Afro、Latinを取り入れた曲が並んでいる。
Guestも多めになっており、身近なところでのMichael Kiwanuka, Yussef Dayes, Samphaに加え、Obongjayar, Miraa May, Moonchild Sanellyなどのアフリカ勢もぴったりとはまっている。
アルバムタイトルのLotusに再生と成長の象徴の意味を込めているとのことだが、まさにその通りの作品に仕上がっていると思う。
billy woods - GOLLIWOG
NYアンダーグラウンドの雄、billy woodsのソロとしては3年ぶりのアルバム。この間、Kenny Segalとの共作やArmand Hammerでの活動もあり、常にシーンを賑わしている。
今回も、そのKenny SegalやThe Alchemistなどお馴染みの人たちを制作に迎えたホラーコア作品になっている。GOLLIWOGは人種差別的キャラクターのことで、差別や暴力、個人的トラウマなどを自身のリアルや虚構を織り交ぜて、展開している。
Trackはゆったりとした不穏で不吉なものばかりで、Lyricと合わせて、リスナーの不安感を煽ってくる。なお⑤のラストでは日本語のモノローグもサンプリングされている。
2026/1/31のリキッドルームでのライブを見ましたが、照明暗めな閉塞的な空間にマッチしてました。
PinkPantheress - Fancy That
2年前にアルバムデビューを果たしたPinkPantheressのMix Tape。drum’n’bassを中心としたUKクラブミュージックにPopでダンサブルなメロディと彼女のキュートで甘いVocalという組み合わせは今まで通り。
9曲で20:33とコンパクトな構成にしたことにより、ある意味、無駄のない、表現したいことのみに集中したアルバムになっている。ただ、ノルウエー人Producerのaksel arvidが全面参加したTrackは、サンプリング多めで、音楽としてのクオリティはもちろん、上がっている。
Addison Rae - Addison
Tik Tokのインフルエンサーとして活躍し、Netflixでの映画主演までこなしたAddison Raeのアルバムデビュー作。音楽面でのブレイクも果たし、2026年のグラミーでBest New Artistにもノミネートされている。
そんな出自もあって、シンセを多用した軽快なエレクトロポップが中心となる。それだけでなく、ドリーミーな曲や、ダークなトーンの曲など曲調は様々。この辺は全曲ProduceしているElvira Anderfjärdの手腕のおかげか。
Addisonは囁くようなエアリーな感じで都会的な孤独を感じさせる。年齢的に20年代半ばを迎えて、Lyricは意外と内省的なものも多い。
Tyler, The Creator - Don’t Tap The Glass
今年(2025年)9月の来日前に、突如リリースされたTyler, The Creatorの8作目。前作より9か月というかなり短いインターバルでのリリースとなったが、その分、30分強の短めのアルバムになっている。
コンセプチャルであった前作とは作風も大きく変わっていて、ダンサブルで聴き易いPopな曲がそろっている。このあたり、①にSk8brdという名前で参加しているPharrellの影響が大きい気もする。
80年代のディスコ、ファンク、ハウスを下敷きにしたような曲がほとんどではあるが、そのものではなく、Tylerらしい捻じれた感覚が加わっている。また、多くの曲で本人のVocalも聴くことができる。
単独プロデュースで、これだけのアルバムを作ってしまうとは、Creatorをアーティスト名に持つのも伊達じゃないと思う。
Nourished By Time - The Passionate Ones
Marcus Brownによるソロプロジェクト、Nourished By Timeの2ndアルバム。Baltimore出身ながらLondonを拠点に活動しているので、全体感はUK寄りに思える。
全曲、Song WritingとProduceも自分でこなし、DIY的に作ったものだが、完成度と統一感の高い作品になっている。
シンセポップをベースに、ヒップホップ、R&B、Jazz、エレクトロなど様々なものをミックスしたジャンルレスな作風で、ミディアム中心にポップでメロディアスな曲が多数。都会の夜を想起させる印象だ。
Vocalも、少し濁った唄声で軽やかにアンニョイに唄っており、特徴になっている。