もっと、わたしらしく (アリシア・キーズ自伝) / 著者 Alicia Keys, Michelle Burford
Book Review
もっと、わたしらしく (アリシア・キーズ自伝)
著者
Alicia Keys, Michelle Burford
出版社
文響社
ページ数 / サイズ
445ページ / 18.8 x 12.8 x 2.2 cm
発売日
2021/4/20
定価
1750円(税抜き)
- 世界的歌姫のすべて -
確固たる地位を確立しているR&B Diva, Alicia Keysのこれまでの半生を綴った自伝。近作の”Alicia”リリースあたりまでがカバーされている。 ライターの書いた評伝と違って、何しろ自伝なので、本人の感情や心境の変化などが、ありのまま、比較的赤裸々に表現されている。
内容的には、幼少期のシングルマザーとの暮らし、父親との軋轢と和解、デビューに到るさまざまなエピソード、自己を見つめなおすためのエジプトへの旅、 その後の内面的変化、節目となるアルバムリリースにまつわるエピソードと当時の心境などが語られており、Oprah WinfreyやMichelle Obamaからの助言や、 Price, Steve Wonderからの称賛を得つつ、成功していくストーリーとなっている。
また、元カレのKelly Brothersとの出逢いと別れ、今の旦那であるSwizz Beatsとの出逢いとラブラブなエピソード(これは半分惚気)など、 恋愛についても多くのページを割いている。
主眼となるのは、Alciaが周囲からの期待に応えるべく、自分を演じていたところから、エジプトヘの旅を経て、自己を見つめなおし、自分のありたい自分になるべく変わっていくところであり、 このあたりは読者に訴えかけるものがある。
清楚で清廉なイメージがあるAliciaであるが、それほどでもなくて、子供のころは男っぽいところがあったり、若い時から恋愛を してたり、 ビッグになったあとはそれなりにセレブな暮らしもしてたり、きちんと子育てしてたりというところは意外だった。 また、フェミニズムやレイシズムへの意識も高く、こちらの活動にも労力を捧げているのは立派なところだ。
ただ、音楽面の活動、特にサウンド面はメインテーマではないので、そこは残念なところではあるが、ファンにとっては必読の書であることは間違いない。