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ディアンジェロ《ヴードゥー》がかけたグルーヴの呪文 / 著者 Faith A. Pennick

Book Review

ディアンジェロ《ヴードゥー》がかけたグルーヴの呪文

ディアンジェロ《ヴードゥー》がかけたグルーヴの呪文 / 著者 Vikki Tobak

著者

Faith A. Pennick, 押野素子 (翻訳)


出版社

DU Books


ページ数 / サイズ

214ページ / 18.6 x 12.8 x 1.8 cm


発売日

2020/5/14


定価

1800円(税抜き)

  • 耳に取り憑く、呪術的グルーヴの快楽に溺れる。 -


2000年にリリースされ、その後のR&Bに多大な影響を及ぼした傑作、D’angeloのVoodooの制作時のエピソードやリリース時の世間の評判や捉え方を中心に、 音楽界の変遷や、当時のD’angeloの生い立ちや心情の揺れなどについても触れた本。 本国のUSでは、33 1/3シリーズとして著名なアーティストの一枚を取り上げているが、その一作でもある。


Voodooが中心となり、個々の楽曲を詳しく取り上げているが、その前後のBrown SugerやBrack Mesiahにも触れている。 また、Angie Stone, Soulquariansの面々、Method ManにRedmanなど、D’angeloにゆかりの深い、また、Voodooに参加しているアーティストも登場するので、 このへんも読む上での楽しみとなる。 また、純朴で寡黙な青年であったD’angeloが、プロモーションのためとはいえ、Sex Symbolとして、祀り上げられることについて、本人の感じる違和感、苦悩など 当事者にしか判らないトピックもカバーされている。


執筆にあたって、D’Angelo本人のインタビューは叶わなかったらしく、若干、迫力に欠けるところもあるが、D’angeloやR&Bファンには 薦められるし、内容は堅苦しくないので一気に読めると思う。インタビューについては、訳者の押野さんによるD’angelo来日時のものが代わりにあとがきとして載っている。


あと、紙質を落としているのが、ちょっと残念なところかもしれない。