ギャングスター・ラップの歴史 / 著者 Soren Baker
Book Review
ギャングスター・ラップの歴史
スクーリー・Dからケンドリック・ラマーまで
著者
ソーレン・ベイカー / Soren Baker, 塚田桂子 (翻訳)
出版社
DU Books(株) ディスクユニオン
ページ数 / サイズ
267ページ / 25.8 x 18.4 x 2.2 cm
発売日
2019/9/27
定価
2500円(税抜き)
- The Rise of a Great American Art Form -
タイトル通り、ギャングスタラップの歴史を著した本。 サブタイトルには、“スクーリー・Dからケンドリック・ラマーまで”とあるが、NWAやそのメンバーであったEasy E, Dr. Dre, Icecube,にIce-T, Snoopなど、ギャングスタラップと言って思い浮かぶ面々の動静にページが割かれている。
加えて、サブストリームとして、Ghetto Boys, Master P, 50 Centなど他の地域にArtistや、東西抗争などの出来事, Priority, Ruthless, No limitなどのレーベルの栄枯盛衰についても触れている。
これらのArtistやトピックについて、筆者の見解や主張は抑えつつ、史実に基づいて記述されており、全体としてはギャングスタラップがマイナーな存在から、市民権を得て、メジャーなものへ長していくさまが描かれている。同様にRapperがビジネスやスクリーンの世界で成功していくことも。 逆に作品についての記述は少なく、ライムについてはまだしも、サウンドについてはほぼノータッチである。
メインの文章に加え、Rap年表や、大小のコラムが多数と、読みづかれない構成にはなっているが、ページ数もそこそこ多く、字も大きくはないので、読み応えは十分となっている。