Soul Defitive 1956-2016 / 著 河内依子
Book Review
Soul Defitive 1956-2016
ブラック・ポップ・ミュージックの60年
〰サム・クックからビヨンセ、ジェイムス・ブラウンからディ・アンジェロまで。社会と密接しながら時代に応じて変化し、これほど世界を魅了してきた音楽は他にない。〰
ソウル、R&Bのディスクガイド本。“Definitice”は日本語的には”決定版”ということか。他にも同時期に多くのジャンルで”Definitive”シリースが出版されている。 また、現時点(@2021)で知る限り、ソウル全般のディスクガイトとしては最も最近までのリリースをカバーしている。
1950年代のソウル黎明期から、2016年までを、時系列的に13章と小刻みに章立てしており、アーティストをメインに、地域、レーベルでグルーピングして、 レビューしてくれているので、当時のムーブメントや旬のアーティストが良く判る。
アルバム中心でとりあげているが、解説は著者の主観がはいらず、まだ、著者も河内さんおひとりなので、違和感なく読み進めていくことができる。 正確にカウントしてはいないが、たぶん、700枚くらいが時代、地域、サブジャンルの偏りなく取り上げられている。 さらに、ところどころ、計9つほど短めのコラムがのっており、これも当時のムーブメントの理解に役立つ。
ちなみに”ヒップホップ・ソウルの手法とストリート色を前面に出した流れ”をソウルを区別してR&Bを呼ぶようになった、との記述があり、 これは、いまさらながら、そうだったのかと思った。
ソウル初心者の入門編としても、昔からのファンのおさらいとしても、ためになるガイドといえそうだ。