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2023, 2025と続けてGrammyを獲得し、女性R&B Singerのトップグループの1人となったMuni Longの旧名義を含むと4枚目のアルバム。フロリダ出身で2009年にPriscilla Renea 名義でデビューし、その後はSong Writerとしての活動が目立っていたが、2020年代に入り、Muni Longに改名してからの活躍は周知のとおり。
そんなわけで活動歴は十分で、年齢的にも30台半ばだが、声からは少し若い印象を受ける。
TrackはTricky Stewartが6曲の制作に携わっており、スローが多めのオーソドックスなR&Bで安定感がある。他にミディアムやアップでクラブっぽい⑧、GroRilla参加の⑨なども。
Lyricは始めて自身の経験や感情を表現しているとのことで、⑭では離婚による心の痛みを唄っている。

Lalah Hathawayの7年ぶり7作目となるオリジナルアルバム。90年代から活躍してた人なので、少ない気もするするが、客演が多く、ずっと一線にいた人でもある。
タイトルのVantablackは”人工の最も黒い物質として世界記録を誇る非常に黒いコーティング”とのことで、ほとんどの光を吸収するという。黒人としてのアイデンティティを見つめなおし、様々な音楽に接してきたLalahを投影した作品にぴったりである。
①⑤⑧などは、そういった意識をストレートに現した曲であるが、それだけではないので、全体感は決して重くはない。曲調もバラードだけでなく、アップ、ミディアムをバランスよく配しており、ダンサブルな曲もある。
また最後の2曲が、インスト曲から主にハミングだけの曲と続き、アルバムの締め方として斬新だと思った。前作から引き続きのPhil BeaudreauにJuan Andres Carreno Arizaを加えた、畑違いの制作陣と、曲によってはしっとりと、または軽やかなLalahのVocalの相性も良さそうだ。

2000年代にR&B Duo, Floetryの一員として活躍し、2010年代以降はソロとして活動しているMarsha Ambrosiusの4枚目のソロアルバム。
2021年には録音は完了してたとのことだが、ProducerのDr. Dreが脳の病気だったこともあって、やっと仕上げが終わり、2024年夏のリリースとなった。そのDreが全面Produceしており、しかも全曲オーケストラ演奏ベースにサンプリングを巧みに融合させた何ともゴージャスな作品になっている。
全曲スローでJazzyなスタンダード集のような趣き(CDジャケットもそんな感じ)で、Hip-Hop要素はやや控えめ。⑫では、先達のアーティストの名を挙げて、リスペクトを示している。40歳台中盤を迎えたMarshaが緩急をつけた歌唱で貫禄を見せている。

R&B SingerでProduceやSong Writingでも著名なLeon Thomasの2ndアルバム。ゲストとしても参加しているTy Dolla $ignのレーベルENMNYの第1号アーティストでもある。
もともと俳優として子役時代から映画/TV/Broadwayで活躍してた人で、そのつながりでAriana Grande作品の制作に携わり、その後、Drake, Ella Mai, Chris Brown, Kehlani, Rick Ross, SZAなど錚々たるアーティストの作品にProduce, Song Writingで参加し、グラミーも受賞してと輝かしい実績とともに、2023年にSingerとしてアルバムデビューを果たしている。
ベースにあるのは、70年代から受け継がれるオールド・ソウルで、ゆったりとした曲が多い。そんなサウンドそのままの曲が半分くらい。あとは、Rapのように唄ったり、Trapであったり、声にエフェクトを効かせたりと変化をつけている。アルバムリリース時に30歳であったLeonの唄は正統的で、やや抑え気味。声のトーンは少し高めではあるがお、年相応な印象を受ける。
ちなみに、アルバムタイトルの”MUTT”はバイクメイカーで、1曲目冒頭のバイクの排気音がそれなのではないかと思われます。

Megan Thee Stallionの2年ぶり、メジャー3作目。蛇がコンセプトになっているらしく、①②⑨⑩⑱などは蛇の種や蛇に関することがタイトルになっている。なんでも、脱皮を繰り返さないといけないというMeganの思いが反映しているようで、CDのブックレットで大胆なセミヌードになっているのも、そういう意図があるのかもしれない。女性ラッパーのトップの1人の地位を得た自信と心機一転みたいなものも感じられる。
なんといっても、われわれ日本人にとって、馴染み深いのは⑦と⑩で、世の中でもバズった⑦では、ラッパー千葉雄喜をゲストに迎え、一部日本語でのRapも披露している。また、⑩では、日本アニメおたくの本領を発揮して、呪術廻戦よりサンプリングしたり、その登場人物やNarutoを歌詞に織り込んだりとしている。
アルバム全体としては、Trapを中心としたサザンラップで、相変わらずの力強いが印象的。Victoria Monetを迎えたメローな⑬や軽快な⑯がアクセントになっている。

Lucky Dayeの3年ぶりの2作目。引き続き、D’Mileがメインプロデューサーとして、堅実かつ、Lucky Dayeの世界観をうまく表現した楽曲を提供している。
今までの路線を維持しつつ、ファンク、ロック、プリンスっぽい曲や、甘めのバラードなど聴きどころは多め。全体的にインスト部分が多く、ちょっと長めの曲が多いのも、特徴的である。
また、Bruno Masrsが制作に参加した⑩などは、いかのもBrunoらしい曲になっている。
アラフォーになったということで、後半にかけてエモーショナルに唄いあげる曲もでてくるが、まだまだ若さを感じさせてくれるのが印象的だ。

Remi Wolfの3年ぶり2作目。ベースは前作同様、カラフルで元気でノリの良いガールポップであるが、ディスコ、レゲエ、ファンク、インディロック、サイケ、バラードなど様々なジャンル・曲調も取り込んでいて、飽きさせない。そこは高校生以来の付き合いというJared Solomon(Solomonophonic)の制作によるところが大きそう。
変わったところではEl Michel AffairのLeon Michelsも3曲で制作陣に加わっている。また、キャッチーなメロディラインも魅力の一部であり、Lyricでは日々の様々な心情を唄っている。前作に比べると、癖の強さが抜け気味で、半面、一般受けはしそうだ。

2024年にブレークを果たし、“Year Go!”でグラミーにもノミネートされた、メンフィス出身のRapper, GloRillaの公式デビューアルバム。28歳と今となっては遅めのデビューではあるが、既に貫禄と落ち着きが感じられる。
構成は南部らしいTrapチューンが多くなっており、Vocalゲストを招いた⑦⑭⑮がアクセントとなっている。また、Latto, Sexyy Red, Megan Thee Stallionと女性Rapperが多めに客演しており、一大勢力になったことを見せつけている。
さらに自身のルーツであるGospel曲⑨はインパクト大。ここでKirk Franklinが”完璧でなくてもいいんだよ”と説いているが、GloRillaも①で”失敗に勝るものはない”とRapしており、中低音で力強いフローも合わせて、彼女の生き方を垣間見えた気がする。

Hip-Hop界のLegendによるコラボレーション作。Commonとしては3年ぶりとなる。単一曲での共作は過去にもあったが、アルバム全体としては初となる。
良質なTrackに良質なRapが組み合わされば、高品質な作品が生まれるのは当然といえば当然だが、それにしても素晴らしい。的を得たサンプリングに、ソウルフルでJazzyなTrackは、ゆったりとして、ファンクで心地よく、Commonが気持ちよくRapしているのが良く判る。
派手さは無いが、Hip-Hop本来の魅力を思い出させてくれるアルバムだ。

Kendrick Lamarの2年振りとなる6作目。TDEを離れてからは初となる。2024年はDrakeとのビーフの話題だけかと思ったが年末に突如リリースされた。
タイトルのGNXはKendrickが生まれた1987に販売された車の名前で父親が乗っていたとのこと。アートワークではその車の前で(ビーフに買って)チャンピオンベルトをしめたKendickが立っている。
そんないきさつや⑧の曲名からも判るように地元LAをレペゼンした作品になっており、原点回帰というか、Rap Gameに戻ってきたぞという意欲が現れている。なので、Guestも地元からが多いが、著名なのはRoddy Richと地元ではないが元レーベルメートのSZAくらい。ただ、SZAはメローな2曲に参加し、可憐な唄を披露している。
また、featuringではないが、Kendrick本人がドジャースの試合でのパフォーマンスを見て声をかけたというメキシコ人シンガーのDeyra Barreraも参加している。
制作はいつものSounwaveに加え、Jack Antonoffが全曲に携わり、Kamasi WashingtonやTerrace Martinもクレジットされているが、残念なら楽器は演奏していない。
Track自体は手堅くて、他ジャンルには手を出さず、これぞHip-Hopという印象で、緩急をつけた作品が並んでいる。
KendrickのRapには全体的に怒りのトーンを感じるものが多く、珍しく、声を荒げたり、コミカルな部分があったり、唄ったりと幅広く表現している。