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Latest Album Reviews

最新のアルバムレビューです。画像クリックでレビューページに移動します。

Michael Kiwanukaの5年振り、4作目。引き続き、全曲、Danger MouseとInfloによるプロデュースとなり、ミディアム~スローのフォーキーなソウル、ロックが展開されている。
懐かしい感じのメロディに、アラファーになったMichaelの落ち着いて滋味を増したVocalが、とても馴染んでいる。
Trackはシンプルなバンド構成でありながら、丹念に作られており、特にギターが主張しすぎず、存在感を示しており、⑧などはインスト曲になっている。

前作がMixtape扱いだったので、オリジナルアルバムとしては6年ぶりとなるFKA Twigsの3作目。タイトルのEUSEXUAは多幸感を意味するEuphoriaにsexを混ぜ合わせた彼女による造語だそうで、アルバムノートに辞書風な記述があり、冒頭には”存在の状態:アート、音楽、セックス、そして結束によって往々に呼び起される瞬間的な超越の感覚”とある。
そんなタイトルにあるような解放感を印象付けるアルバムになっている。KorelessがメインでProduceしており、UKガラージ、ベースライン、テクノなどを取り入れたダンサブルでアンビエントなTrackが並ぶ。
なお、享楽的な⑧ではKanye WestのNorthが日本語でラップしている。FKA Twigsはソフトで、かつ、ときに官能的な唄声を聴かせてくれている。

The Weekndの3年ぶりのアルバム。“After Hours”, “DAWN FM”につづく3部作のラストとなる。当レビューでは1st press盤をとりあげているが、この後22曲のComplete盤もリリースされている。
全体的にはメランコリックでダークなトーンになっており、Weekndの高音で艶のある唄声を聴かせる曲が並んでいる。エレクトリックなTrackがほとんどで、アップ〰ミディアム〰スローとバランス良く配されている。
ブラジルっぽい③やMetro Boominが参加したTrap②などもあるが、統一感は高く、このへんはMike Deanの手腕によるものであろう。同じく完成度も突き詰めてきたようで、The Weekndとしての作品はこれだ最後という話もあり、次の展開が楽しみでもある。

Ravyn Lanaeの2年ぶり、2作目。DJ Dahiが全面的にProduceに参加した楽曲は前作に比べ、よりオーソドックスなR&Bに近づいた。
ラヴァーズロックな⑤など、耳に心地よいスローな曲が多め。アップ、ミディアムを含めて、全体的に懐かしい感じのメロディアスでハッピーな印象の曲が多く、ゆったりとした気分で聴くことができる。
Ravynのコケティッシュなウイスパリングボイスも加わり、統一感、完成度、ともに高いレベルに達しており、ゲストのChildish Gambino, Ty Dolla $ignも曲に溶け込むような歌唱を提供している。

London生まれ、Atlantaで活動するRapper, 21 Savageの3rdアルバム。長らくの不法移民扱いを経て、晴れてグリーンカード取得したことを記念して2024年春にリリースされた。
ということもあり、自身の半生と母親への感謝が綴られており、そんな母からの①とラストの⑮での語りには、ぐっとくるものがある。サウンドはTrapが中心となり、ゆったり目のTrackに21 Savageの落ち着いたRapがのっかっている。後半にかけては、Summer Walker, Brent Faiyaz, Burna BoyらのVocalゲストを招いたメローで、どこか懐かしい感じの曲が続く。
制作陣では、随所でMetro Boominが良い仕事をしている。

Camila Cabelloの約3年ぶりの3作目。ロックダウン中の制作となるが、家族や自身を見つめなおすことが多く、このようなタイトルの作品につながったとのこと。なので、メキシコ系キューバ人としてのアイデンティティが今まで以上に投影されたラテン色の濃い作品になっている。
フラメンゴやキューバ音楽など、様々なラテン要素がとりいれられているようで、曲調もPopで明るいものから哀愁を帯びたスローまでと様々。スペイン語の曲も3曲ほどある。Camilaのキュートで甘い声が心地よい。

2024秋にリリースされた大ヴェテラン LL Cool Jのなんと11年ぶりの新作。こちらもヴェテランであるQ-Tipがほぼ全曲Produceしている。
ゲストとしてSnoop, Eminem, Nas, Busta RhymesにRick Rossと大物が脇を固めており、ブランクを感じさせない良質なHip-Hop作品となっている。サンプリング中心のTrackはオーソドックスでありつつ、古臭い感じは無いが、この辺はQ-Tipの功績が大きい。
LL Cool Jのラップも力強く、二人の相性はかなり良さそう。メローな⑥ではSaweetieが唄とRapで華を添えている。

2024年夏にリリースされたRapsodyの5年振り4作目。⑨でついにグラミーを受賞している。
5年という不在感を埋めるように22曲の大作になっているが、各曲が短めで、押しの強い曲は少ないので、ゆったりと聴けると思う。
BLK ODYSSY, S1, Eric G, Major Sevenなど中堅の制作陣が、ストレートなHip-Hopを中心に, Reggae, スローなR&Bなど様々な曲調のTrackを提供している。
アルバムを通して、Rapsody自身の内面に問いかけた自己探求と回顧を経て、自信を取り戻すといたストーリーが根底に流れていて、その始まりとして②は本人の1st nameを曲名にしており、後半にかけて癒しを感じさせる曲も並んでいる。
ベテランの域に達している人であるが、フローのスキルだけでなく、リリシストとしての一面が強く押し出されたアルバムになっている。

UK中部のBradford出身のSinger, Producer、Nia Archivesの2024年夏のデビューアルバム。ジャマイカ移民3世であり、子供のころから、Reggae、Hip-Hop, Jungleなどに親しんでいたとのことで、2020年代にはいって本格的音楽活動を開始し、EPをいくつかリリース後、比較的早くメジャーからのアルバムリリースに至っている。
本人も言っているように、JungleとBrit Popの融合がコンセプトとなっているアルバムで、Popで明るいのが何よりの特徴となっている。メロディも馴染みやすく、広く受け入れられそう。
VocalはErykah Baduっぽいところがあって、柔らい印象を受ける。Writing,とProduceがほぼNiaとEthan P Flynnだけなので、全体的に単調なところはあるが、ノリを楽しむだけで十分な作品になってると思う。

去年(2023)年のDanny Brownとのコラボ作が大好評だったJPEGMAFIAのソロとしては5作目。
パンク、ヘビーメタル、サイケにブラジルのバイリファンキ、Jazzなど、様々なジャンルの音楽を雑多に混ぜ込んだコラージュ的なアプローチは今まで同様。ヘビーなTrackが多めだが、メローな⑬で和ませてくれたりもしている。
全体的には、Experimentalでありながらも、孤高な感じでもないので、比較的聴き易く、次に何がでてくるか、耳をそばだてる必要がある。
これをゲストプロデューサー少な目でやりきってしまうのは流石だと思う。