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Latest Album Reviews
最新のアルバムレビューです。画像クリックでレビューページに移動します。
2年前にアルバムデビューを果たしたPinkPantheressのMix Tape。drum’n’bassを中心としたUKクラブミュージックにPopでダンサブルなメロディと彼女のキュートで甘いVocalという組み合わせは今まで通り。
9曲で20:33とコンパクトな構成にしたことにより、ある意味、無駄のない、表現したいことのみに集中したアルバムになっている。ただ、ノルウエー人Producerのaksel arvidが全面参加したTrackは、サンプリング多めで、音楽としてのクオリティはもちろん、上がっている。
Eminemの4年ぶりのアルバム。自身のオルターエゴであるSlim Shadyの死をテーマにした作品で、長年の決着をつけたということであろう。
Lyricでは、z世代のキャンセルカルチャーを皮肉ったりしている。身内の制作陣で固めたTrackは、今までとあまり変わりない気もするが、暖かみのあるスローバラードの⑮⑲もあって、一層、馴染みやすいものとなっている。
50歳を越えても⑧の高速ラップなど、流石のラップスキルで、まだまだ若さを維持している。
EPを挟んで3年ぶりとなるLittle Simzの6作目。盟友だったはずのInfloとは金銭トラブル(かなりの額を踏み倒されて裁判になっている。)もあって袂を別ち、新たに、そこまで著名ではないMiles Clinton JameをProducerに迎えているが、これが良い方向に働いている。
そのInfloの件を唄った①(タイトルはThief)など怒りを表現した曲もあるが、後半にかけて穏やかな曲が多めになっている。全体的にTrackは楽器メインであり、密室性の高かった今までと比べ、ナチュラルでプリミティブになっているのも特徴で、Jazz,、Afro、Latinを取り入れた曲が並んでいる。
Guestも多めになっており、身近なところでのMichael Kiwanuka, Yussef Dayes, Samphaに加え、Obongjayar, Miraa May, Moonchild Sanellyなどのアフリカ勢もぴったりとはまっている。
アルバムタイトルのLotusに再生と成長の象徴の意味を込めているとのことだが、まさにその通りの作品に仕上がっていると思う。
Michael Kiwanukaの5年振り、4作目。引き続き、全曲、Danger MouseとInfloによるプロデュースとなり、ミディアム~スローのフォーキーなソウル、ロックが展開されている。
懐かしい感じのメロディに、アラファーになったMichaelの落ち着いて滋味を増したVocalが、とても馴染んでいる。
Trackはシンプルなバンド構成でありながら、丹念に作られており、特にギターが主張しすぎず、存在感を示しており、⑧などはインスト曲になっている。
前作がMixtape扱いだったので、オリジナルアルバムとしては6年ぶりとなるFKA Twigsの3作目。タイトルのEUSEXUAは多幸感を意味するEuphoriaにsexを混ぜ合わせた彼女による造語だそうで、アルバムノートに辞書風な記述があり、冒頭には”存在の状態:アート、音楽、セックス、そして結束によって往々に呼び起される瞬間的な超越の感覚”とある。
そんなタイトルにあるような解放感を印象付けるアルバムになっている。KorelessがメインでProduceしており、UKガラージ、ベースライン、テクノなどを取り入れたダンサブルでアンビエントなTrackが並ぶ。
なお、享楽的な⑧ではKanye WestのNorthが日本語でラップしている。FKA Twigsはソフトで、かつ、ときに官能的な唄声を聴かせてくれている。
The Weekndの3年ぶりのアルバム。“After Hours”, “DAWN FM”につづく3部作のラストとなる。当レビューでは1st press盤をとりあげているが、この後22曲のComplete盤もリリースされている。
全体的にはメランコリックでダークなトーンになっており、Weekndの高音で艶のある唄声を聴かせる曲が並んでいる。エレクトリックなTrackがほとんどで、アップ〰ミディアム〰スローとバランス良く配されている。
ブラジルっぽい③やMetro Boominが参加したTrap②などもあるが、統一感は高く、このへんはMike Deanの手腕によるものであろう。同じく完成度も突き詰めてきたようで、The Weekndとしての作品はこれだ最後という話もあり、次の展開が楽しみでもある。
Ravyn Lanaeの2年ぶり、2作目。DJ Dahiが全面的にProduceに参加した楽曲は前作に比べ、よりオーソドックスなR&Bに近づいた。
ラヴァーズロックな⑤など、耳に心地よいスローな曲が多め。アップ、ミディアムを含めて、全体的に懐かしい感じのメロディアスでハッピーな印象の曲が多く、ゆったりとした気分で聴くことができる。
Ravynのコケティッシュなウイスパリングボイスも加わり、統一感、完成度、ともに高いレベルに達しており、ゲストのChildish Gambino, Ty Dolla $ignも曲に溶け込むような歌唱を提供している。
London生まれ、Atlantaで活動するRapper, 21 Savageの3rdアルバム。長らくの不法移民扱いを経て、晴れてグリーンカード取得したことを記念して2024年春にリリースされた。
ということもあり、自身の半生と母親への感謝が綴られており、そんな母からの①とラストの⑮での語りには、ぐっとくるものがある。サウンドはTrapが中心となり、ゆったり目のTrackに21 Savageの落ち着いたRapがのっかっている。後半にかけては、Summer Walker, Brent Faiyaz, Burna BoyらのVocalゲストを招いたメローで、どこか懐かしい感じの曲が続く。
制作陣では、随所でMetro Boominが良い仕事をしている。
Camila Cabelloの約3年ぶりの3作目。ロックダウン中の制作となるが、家族や自身を見つめなおすことが多く、このようなタイトルの作品につながったとのこと。なので、メキシコ系キューバ人としてのアイデンティティが今まで以上に投影されたラテン色の濃い作品になっている。
フラメンゴやキューバ音楽など、様々なラテン要素がとりいれられているようで、曲調もPopで明るいものから哀愁を帯びたスローまでと様々。スペイン語の曲も3曲ほどある。Camilaのキュートで甘い声が心地よい。
2024秋にリリースされた大ヴェテラン LL Cool Jのなんと11年ぶりの新作。こちらもヴェテランであるQ-Tipがほぼ全曲Produceしている。
ゲストとしてSnoop, Eminem, Nas, Busta RhymesにRick Rossと大物が脇を固めており、ブランクを感じさせない良質なHip-Hop作品となっている。サンプリング中心のTrackはオーソドックスでありつつ、古臭い感じは無いが、この辺はQ-Tipの功績が大きい。
LL Cool Jのラップも力強く、二人の相性はかなり良さそう。メローな⑥ではSaweetieが唄とRapで華を添えている。